自己紹介

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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2011年8月16日

「ザ・ホワイトハウス」

映画「ソーシャル・ネットワーク」の脚本で、日本でも注目を浴びたアーロン・ソーキンだが、彼の代表作と言えば「ザ・ホワイトハウス」だ。

この1999年から2006年にかけて放映されたテレビドラマを見始めたのだが、ソーキンの才能と米国エンターテイメントの質の高さに驚かされる。

ホワイトハウスを舞台に、大統領とその側近たちの日常を描いた政治ドラマなのだが、政治家が私欲と野心に飢えた汚い存在であるという偏見を、見事に打ち破っている。彼らもあくまで人間であり、ボクたちと同じように対立する価値観に挟まれ葛藤に悩んでいるのだ。テレビの薄っぺらい政治討論番組なんかよりも、ずっとためになる。

左寄りで理想主義的だという批判もあるが、大統領選挙に向けて、これからまた話題になるであろうアメリカの政治を理解するにはうってつけの作品だ。

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2011年8月14日

公選弁護局がiPadでコスト削減と仕事の効率アップ

サンバーナディーノ郡の公選弁護局が、完全なペーパーレス化に向けてiPadを導入。ビクタービルの裁判所でも、弁護士全員にiPad 2が配られた。

公選弁護士は、一日に20人以上もの案件を扱うこともざらで、これまで大量のファイルを抱えながら裁判所を歩き回らなければならなかった。それが今ではスマートにiPadだけを持って仕事をする弁護士も多い。

右がこれまでのスタイル。左は今回のシステムを考案したキャンティ公選弁護人。

iPadを配るだけでなく、情報の流れを一元化する独自のシステムも考案。しかも、役所や大企業にありがちな、一千万円以上もするデータベースを、専門家に頼んで数年かけて作ってもらうのではなくて、パソコン好きの二人の弁護士たちが、誰でも買えるアプリだけを使ってわずか数ヶ月で実現させた。使ったのは、PDF Expert(850円)Dropbox(無料)だけ。

事務員たちがスキャンしたPDFデータを、Dropboxを使って交換し、サーバーにアップにアップするというシンプルな手順。あまり機械に慣れていない弁護士たちも、すぐに順応している様子だ。

かかった総費用12万3千ドル(約940万円)のほとんどは、郡で働く100人以上もの公選弁護士に配布されたiPadの代金。

郡が財政難に苦しむ中で導入に踏み切ったのは、長期でのコスト削減が大きな理由。取り扱った案件の書類は全て保管しておかなければならないので、紙だと倉庫代がばかにならない。全てデジタル化してしまえば、ファイルを作るための文房具代や人件費も節約できる。

しかし、弁護士たちにとっては、iPadを活用することで、被告人によりよいサービスが提供できるという期待の声が何より大きい。情報の検索や交換が、紙の書類に比べてスムーズに行えて、待ち時間を有効に活用できるのだという。

ボクの記事を読んだ他郡の公選弁護局や弁護士たちからも、問い合わせが来ているという。iPadやiPhoneはセキュリティーがしっかりしているので、これからも独自のシステムを考えだす組織が増えてくるのではないかと思う。

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