自己紹介

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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2012年6月21日

ホームレス家族に密着取材

ビクタービルの公園にテントを張って寝泊まりしている、ホームレスの家族に密着取材を行った。両親は差し押さえで家を失い、子ども7人を連れて、モーテルと公園とを行き来している。




一番下の子どもは8ヶ月で、10歳の長男は、父親が13歳、母親が14歳の時に産まれた。父親は不況の影響もあって仕事が見つからず、日中は食料やお金の調達に奔走している。生活補助は受けているが、7人の子どもを養うにはとても足りないという。

家族の暮らす公園は、単なるホームレスだけでなく、釈放された重犯罪者や性犯罪者がたむろす河原の対岸にある。僕らがいる間も、何人もの浮浪者が横を通ってこっちを眺めたり、奇妙な叫び声を上げたりしていた。

Facebookのマーク・ザッカーバーグが28歳で1兆円以上の資産を稼ぐ一方で、日々の食べ物に困る子どもたちがいるのが、アメリカという国。シリコンバレーが陽であるとすれば、ビクタービルは陰の部分である。今日の取材では、一つの家族の人生が、アメリカ社会が抱える問題を凄惨なまでに映し出していた。

新しい服がなくて学校に行くのが恥ずかしいという子どもたちだが、驚くほど純粋だった。僕が日本で生まれ育ったというと、他の子どもたちと全く変わらない笑顔と興味心で、「これは日本語で何ていうの」と何度も聞いてくる。お土産にトランプと日本の小銭を持って、仕事後に再び公園を尋ねると、僕の姿を見つけた子供たちが、満面の笑みを浮かべて走り寄ってきた。



公園のピクニックエリアで夕食を準備する両親にインタビューをしながら、子どもたちにトランプを教えたり、一緒にバスケットボールをして遊んだりした後、車に乗り込んでふと不思議な感覚にとらわれた。クーラーの効いた買ったばかりの車で、電気もガスも使えるアパートに帰って、肉と野菜がたっぷりの食事を食べる自分の生活が現実味を失ったのである。

ニュースや文献を読んで理解していたつもりだった貧困という問題を、初めて現実として突きつけられたからだろうか。この気持が残っているうちに、記事を仕上げなければ。


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2012年6月20日

世界で最も稼いだアスリートは?


米フォーブス誌がアスリートの収入ランキングを発表した。

この一年間で最もお金を稼いだアスリートは、ボクサーのフロイド・メイウェザーで、2001年からトップを走り続けたタイガー・ウッズを退けた。物議を醸す発言で、ボクシング界以外からも注目を集めているメイウェザーの収入は、8500万ドル(68億円)。彼は自分の設立した会社でプロモーションを行なっているため、仲介料を払わないですんでいる。

第二位は、同じくボクサーのマニー・パッキャオで、6200万ドル(49.6億円)。疑惑の判定で、7年ぶりの黒星を喫してしまったが、最近では、テレビのCMでフィリピンの英雄を見かけることも多くなった。

第三位ウッズの総収入は、昨年から1600万ドル減の5940万ドル(47.5億円)で、2009年のピークからは半減している。USオープンでは、最後になって崩れてしまったが、今年の成績だけ見れば、未だ世界でトップ選手の一人である。最盛期が凄すぎた。

NBA選手のレブロン・ジェームズが第四位で、現在行われている決勝戦で優勝すれば、一気に収入が増える可能性もある。

日本人最高は、39位のイチローで、2400万ドル(19.2億円)を稼いだ。約700万ドルが、日本からの宣伝広告料だという。

女性では、テニスのマリア・シャラポワ(2790万ドルで26位)と、2011年の全仏オープンで、男女を通してアジア人初の四大大会優勝を果たした、中国のリー・ナ(1840万ドルで81位)がトップ100入り。

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トートバッグを嫌うアメリカ人男性


日本人に比べて、アメリカの男性は、バッグを持たない。出かける時は、財布や携帯電話、鍵等をポケットに突っ込むだけ。カード文化が進んでいるので、マネークリップを使ったり、クレジットカードと免許証を輪ゴムで止めたりする人も多い。

ショルダーバッグやトートバッグを使うのは、女性やゲイ、もしくはヨーロッパ人だという偏見が根強い。男性が肩から小型のバッグを下げていると、man purse(男性ハンドバッグ)と呼んでからかわれるので、アメリカ人男性はちょっと荷物が多いと、バックパッカー並の巨大リュックやボストンバッグを持ち歩く。ちなみに、ニューヨークやサンフランシスコといった文化都市に暮らすお洒落な男性は、メトロセクシャルと呼ばれ、彼らはヨーロッパや日本人に近い格好をしている。

偏見はくだらないが、荷物を減らすという発想は悪くない。iPhoneのおかげで、カメラやメモ帳、本や地図などを持ち歩かなくてすむようになった。最近は、Malcom Frontierというアメリカの会社が出しているMojitoという財布を使っている。数枚のカードと折りたたんだ紙幣がやっと入るサイズがゆえに、何から何まで詰め込むという足し算ではなく、必要最小限以外を取り除くという引き算の発想を実践できる。シャツの胸ポケットに入れても気にならないのは便利。

カードが6枚だけ入るMojito。日本からも注文できる。

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