自己紹介

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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2009年12月31日

「アバター」はぜひIMAXで(ネタばれなし)

ジェームズ・キャメロン監督の話題作「アバター」を観てきた。3D映画は、実に何年ぶりだろう。ディズニーランドにあったマイケル・ジャクソンの「キャプテンEO」くらいしか記憶にない。

メガネの上から立体視用眼鏡をかけて鑑賞した久々の3D映像は、キャメロン監督が専用に開発したというカメラを使っただけあって、臨場感にあふれていた。まるで実際に衛星パンドラにいるような気分を味わえる。これを経験したらもう2Dには戻れないかもしれない。近くにIMAX映画館があるのに、行かなかったことをちょっと後悔している。CGも現実映像との境目が曖昧になるほどよくできていた。

しかし「アバター」は、ハリウッドならではのお金をかけた演出だけにとどまらない。キャメロン監督が発案から14年以上かけたというだけあって、「アバター」ならではの、現実にはない世界が緻密に構築されている。これは「スターウォーズ」や「ロード・オブ・ザ・リング」を初めて見たときの衝撃に近い。監督は、作中で使われる異星人の言語を、南カリフォルニア大の言語学者と一緒に開発したという。

アバターとは全く違う世界観ながら、同じくらい楽しめたのが、周防正行監督の「それでもボクはやってない」。「アバター」とは正反対に、現実を徹底的に描き、日本の裁判制度に疑問を投げかけた。

ドラマチックな映像や音楽、演出など全くない映画だが、観ていたら自然と感情移入できてしまう。周防監督が2年に渡る取材で、20もの裁判を200回以上傍聴した結果、普通に暮らしていては知りえない裁判の現実が緻密に描かれている。

映画でも記事でも、徹底した取材と細部へのこだわりが面白いと言われる作品の根底にあることは間違いない。

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2009年12月30日

三人に一人がセクスティングの経験あり

米国の若者の間で、携帯電話を使って性的なメールや写真、動画を送る「セクスティング(sexting)」が広まり、社会問題となっている。

ある報告
によると、ティーネイジャー(13-19歳)の20パーセント、ヤングアダルト(20-26歳)の33パーセントが、自身のセミヌードやヌード写真・動画を送った経験があるという。女の子の間では、好きな男の子にせがまれて送ってしまうというケースが多く見られ、男の子よりも若干比率が高くなっている。

ボクの周りでも、将来を有望視されていた15歳の女子高生アスリートが、セクスティングで停学になるという事件が起きた。知り合いの教師に聞いたところ、彼女の中学校でも、生徒間で性的なメールや写真のやり取りが当たり前のように行われているという。

今日、地元ショッピングモールのフードコートで食事をしていたら、中学生くらいの男の子二人と女の子二人のグループが隣に座ってきた。彼・彼女らがどういう関係だったのかは分からないが、男の子たちは、しきりに女の子同士がキスをするようにせがんでいた。さすがに女の子たちは、笑いながら「こんなところじゃ嫌だ」と断り続けていたが、モールのど真ん中でこんな話をしていることにボクは驚いた。前述の知り合いにこの話をしたら、そんなのは日常茶飯事で、教室内で実際にキスをする女の子たちもいるのだとか。

ティーネイジャーの妊娠率が22パーセントと極めて高いアメリカ。その傾向が、携帯電話やソーシャルネットワーキングによって更に助長される可能性は否定できない。

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2009年12月27日

気球夫婦の惨めな結末

コロラド州に住むリチャード・ヒーニと奥さんの真弓さんは、庭でUFOのような形をした銀色の実験用気球を飛ばしていた。気球が地面から浮き始めた時、突如悲鳴が。三人息子のうちの一人、ファルコン君がいないのである。まさか気球の中に?夫婦はパニックに陥る。

通報を受けた当局は、警官の動員はもちろんのこと、飛行機の離発着を制限し、軍事用のヘリコプターまで出動させるという、大捜索を開始した。しかも飛行する気球をテレビ局のクルーがヘリで追跡し、その様子が全米に中継された。

およそ2時間後、約100キロ飛行した気球はようやく着陸。ところがかけつけた捜査員が調べたところ、ファルコン君が見当たらない。飛行中に転落したのではないかと心配されたが、なんと家のガレージの屋根裏で発見されたと報道された。テレビには真弓さんの喜ぶ姿が映し出され、一件落着かと思われた。

が、実は全てがヒーニ夫婦の自作自演だったことが発覚。以前、「Wife Swap(奥さん交換)」というリアリティ番組に家族で出演していたことのあるリチャードと真弓さんは、新しい企画をテレビに提案するが採用されず、お金にも困っていたため、今回の茶番劇を思いつく。

真に迫った演技である

ところが、助けを求める際に、911番(日本の110番)より先に、テレビ局に連絡してまずは怪しまれる。また、事件後に家族そろってテレビ出演したところ、司会者に「どうしてガレージから出てこなかったの」と聞かれた6歳のファルコン君が、「パパたちが、テレビ番組のためだって言ったから」と返答。そしてなんと、その後のテレビ出演でも、精神的ショックからか、ファルコン君は二度もカメラの前で吐いてしまった。





化けの皮がはがれてきた夫婦にカンカンの当局は、捜査を開始。起訴された二人は、裁判所から、リチャード被告に禁固90日、真弓被告に禁固20日が言い渡された。億単位ともいわれる捜査費用の賠償と罰金に加え、今回の事件を用いて収入を得ることも禁止された。メディアに露出し、お金をもうけたいがための売名行為も恥ずかしいが、今回の事件でどれだけ彼らの子供が精神的影響を受けたかを考えると胸が痛む。

名前から分かるように、真弓被告は日本人である。二人はハリウッドの俳優学校で知り合い結婚(いわゆる国際結婚である)。ある報道では、彼らを知る人たちが、お騒がせ夫婦の実態を語った。

記事では、「典型的な」日本人女性がそうであるように、常に夫の言いなりになってきた真弓被告に同情の声が上がっている。

「(リチャード)の言うことが全て。彼女は単なる奴隷よ」とリチャード被告の元ビジネスパートナーは語る。「彼女は本当に友達が必要だった。彼は彼女を隔離して、他の人と近づけないようにしたの。彼女は私に一度聞いてきたことがあるわ。『私たちの生活に何か問題があると思う』って。彼女はアメリカ人女性が夫とこういう暮らしをしているのか、分かっていないようだった」

別の知人は、「これは文化的な問題で、(リチャード)はその知識を利用した。彼はアジア人女性を従属させることができると信じ、またそれを望んだ」と述べた。

前述のリアリティ番組では、「リチャードは全ての時間を研究に費やし、マユミには、料理から掃除まであらゆる家事を、手助けなしでこなすことを求めている」との解説が流れた。リチャードは番組中に、代わりの奥さんとしてやってきた米国人女性に対して、「お前は男にとっての悪夢だ。俺の妻が日本生まれでよかった」と言い放った。

コロラドのテレビ局が仕入れた資料によると、事件当日、警察がかけつけた時、真弓被告の頬と左目に何らかの痕が確認されたというが、ヒーニ夫妻を知る人々は、たとえ二人の間で家庭内暴力があったとしても、驚かないと述べる。

日本人女性がアメリカでモテるという話はよく耳にする。女性の社会進出が進み、自分の意思をストレートに表現するアメリカ人女性を苦手という男性が、エキゾチックでおしとやかなアジア人女性を好むのだろう。しかし、日本人女性が単なる従属的な存在として見られているのだとしたら、それは悲しむべきことである。日本人男性がひょろっとして頼りないというステレオタイプでモテないことのほうが、ずっとましかもしれない。今回のような事件でそうした偏見が更に助長されなければいいのだが。

「リチャードは発案者よ。計画者なのよ。彼が彼女の方を向けは、彼女は共謀する。二人はずっとリアリティ番組の中で暮らしているようなもの。二人の生活はリチャードの思うがままに脚本が書かれているのだから」

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2009年12月26日

クリスマスといえばレイカーズ?

普段は一日一試合が中継される程度のNBAだが、クリスマスの今日は、5試合が立て続けにテレビ中継されている。

注目は、コービー率いる王者レイカーズと、ルブロン・ジェームズとシャックがコンビを組むキャバリアーズの一戦。結果はキャバリーアズが圧勝し、ロサンゼルスのファンたちがコートに応援グッズを投げ込む騒ぎとなった。

レイカーズは昨年のクリスマスも、前年に優勝したセルティックスと対戦した。NBAやテレビ局は、この時期に視聴率をとれるカードを組みたくて必死なのである。

箱根駅伝が日本で正月明けの恒例行事となっているように、アメリカではスポーツが大きな祝日の一部となっている。独立記念日の7月4日は野球場で花火が打ち上げられ、感謝祭の木曜日はNFLで、クリスマスはNBA。最近は試合が分散されるようになってきたが、1月1日はローズボウルを始めとする、大学フットボールのボウルゲームが何試合も中継される。

まさにスポーツが人々の生活に入り込んでいるのだ。

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でも車社会にはうんざり

昨晩はアメリカの気に入っているところを書いたので、今回は不便な点を述べる。

ニューヨークやサンフランシスコといった都会の街中に住んでいればちょっとは違うが、米国では車がなければ生活できない。他の先進国に比べて公共交通機関が非常に乏しいのである。郊外にまでアリの巣のように鉄道網がはりめぐらされた東京で生まれ育った者にとっては、なおさら不便に感じてしまう。

確かに高速道路がタダだったり、全ての通りにちゃんと名前がついていたりと、車中心社会の利点もある。一般道で日本の2倍近くのスピードで走行できるのも悪くない(国土が広いので当たり前か)。同じ時間をかけて通勤するのなら、混んだ電車よりも、プライバシーの守られる車のほうがいいという人もいるかもしれない。

それでもボクにとっては、「車なんてないほうがいい」と思ってしまうくらいの不満である。まず何もかもが遠い。街中に住んでいなければ、ちょっとした買い物なんて時に、歩いていける距離にコンビニやスーパーがあることは珍しく、いちいち車を出さなくてはならない。

そうやって車に乗っていれば走行距離も上がるため、定期的に整備をしなくてはならないのだが、その費用がばかにならない。日本のような車検はないが、車が壊れては生活ができないので、ちょっとした不具合でも検査してもらうことに。しかもボクのような車音痴は整備士の言うがままに従わざるをえないので、いつもだまされた気分になる。最近、変速機の調子がおかしく、壊れたときの修理代や新車購入費用を考えるとゾッとする。アメリカでは、車の整備知識が日本語以上に有用である。

他に交通機関がないと、友達と酒を飲むなんて時も、常に気を遣わなくてはならない。酔っ払いであふれた、夜の満員電車ですら恋しく感じる。

もともと歩いたり、電車に乗ったりするのが好きなボクにとっては、車社会だけはどうしても我慢ならない。

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2009年12月25日

だからここの人たちが好き

ホリデーになるといつもアメリカ人の気さくさと温かさを感じる。家族や親戚のパーティーに平気で他人を招待するのだ。おかげでアメリカに来てから淋しいと感じたことはほとんどない。

今日も一緒に休日出勤したデーブが、家族が近くにいない僕とC.J.を自宅でのクリスマスディナーに誘ってくれた。

日本なら、やれ何をお土産を持って行くだ、誰が来るのだなどと、お互いに気を使ってしまうことだろう。ボクも渡米当初は気にしていたが、慣れて来たら何も考えず、お誘いに甘えて時には手ぶらでshow upするようになった。

アメリカのこんなところが好きである。

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街角にはクリスマストゥリー

日本のクリスマスは、彼氏・彼女のいない20代にとっては拷問でしかないが、米国のクリスマスは家族で過ごすもの。

だが僕はその家族もいないので、祝日をファミリーで過ごすことにこだわる同僚たちに休みを譲り、イブ、クリスマスと連勤である。恩はこういう時に売っておくに限る。

もはや定番ともなったKick The Can CrewのクリスマスイブRapを、イブに通勤中の車内で熱唱している自分は客観的に見たらさぶいやつなのかもしれないが、そもそも自分は祝日に浮かれるタイプじゃないじゃないかと自身に言い聞かす。

職場では、ポットラックパーティーでみんなが持ち寄ってきた料理を、自分は何も持参しなかったのに人の三倍は平らげ、周囲のひんしゅくと同情を買ったことだろう。


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2009年12月23日

ファンタジーフットボール

どちらかといえば大学フットボールファンのボクは、普段あまりNFLは見ない。特に愛着のあるチームもない。それでも先週末は結果が気になってNFL中継から目が離せずにいた。ファンタジーフットボールのプレイオフが行われていたのだ。

ハンバーガーショップにいても試合が気になる。

米国スポーツファンの間で人気のあるファンタジースポーツは、実在の選手をドラフトしてチームを編成し、実際の成績に応じた点数を加算して競い合うゲームである。日本でも何度かプロ野球版で試みが行われているが、広く普及しているとはいいがたい。一方、アメリカでは2700万人の大人が参加しているといわれている。ボクもインターネットの無料サービスを利用して、NFLからメジャーリーグ、NBAまでシーズン毎に、全米に散らばる友人らとリーグをつくって楽しんでいる。

今年ボクが所属しているファンタジーフットボールのリーグでは、コミッショナー(リーグの責任者)を務める同僚の家で実際にメンバーが集まってドラフトが行われた。シーズン中の交渉は全てインターネットで行われるが、ドラフトの日だけは、ラスベガスやロサンゼルスから10人のメンバーが集結してちょっとしたパーティーとなった。ファンタジースポーツはこうした社交的要素も持つ。

知り合いの中年男性は、インターネットのなかった20年以上も昔から、同じメンバーで毎年ファンタジーベースボールを続けている。以前は、新聞に載っている成績をもとに自分たちでポイントを計算して、電話で結果を報告し合っていたという。

またファンタジースポーツは、NFLやメジャーリーグにとっては、ボクのようなにわかファンをタダで取り込むことのできる絶好のマーケティング機会である。ファンタジースポーツの参加者は、特に応援するチームがなくても、自分がドラフトした選手には自然と思い入れが強くなるもの。しかも一つのファンタジーチームに複数球団の選手がいるため、テレビで何試合も観戦することになる。スポーツマーケターにとっては無視できないツールであろう。

ボクのチームは先週、幸いにも今シーズン最高のパフォーマンスを発揮し、下馬評を覆しての決勝進出となった。これで今週の日曜日はまたテレビにかじりつくことになりそうである。

先週の結果

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2009年12月21日

閑静な住宅街が。。。

Hamburger Habitでお腹いっぱいになった後、405号線を南に下ってトーランスへ向かった。

アメリカでは、年末になるとクリスマスの飾り付けをしている家をよく見かけるが、この町の閑静な住宅街の一角では、ほぼ全ての家が飾り付けを行い、ちょっとした観光名所になっている。



午後9時頃、目的の住宅街に着くと、そこではもう既に車が列をなして、狭い通りが渋滞状態であった。ゆっくり進む車の窓から眺めて楽しむ家族や、オープンカーで音楽を流しながらビールを飲みはしゃぐ高校生。イルミネーションを施したゴルフカートで移動する住民もいた。ボクらはじっくり見ようと、住宅街のはずれに路駐して歩いて見て回った。




12月の中ごろだというのに、薄いセーター一枚で平気なロサンゼルスは、なんだかんだいって気候には恵まれている。行きかう歩行者に、Tシャツ姿の元気な子供たちは、「メリークリスマス」と構わず声をかけまくっていた。

家ごとに飾り付けの差はあるものの、どの民家もでしゃばりすぎずに統一感があった。他人が勝手に庭に入って写真を撮るのも、この時期だけは許される。庭にそりを設置している家もあって、訪問客が乗って写真を撮れるようにすらしてあった。中には、庭先でホットチョコレートやお菓子を販売するお宅も。


地元少年野球のチームがお菓子を売って、資金集めをしている。

家を覆いつくさんばかりのライトをつけっぱなしにしているのだから、電気代は馬鹿にならないだろう。さすが世界の電力の四分の一を消費する国だ。

東海岸に住んでいた小学生時代、家族でイルミネーション名所と言われる近所のお宅を拝見に行っていたのを思い出し、ノスタルジックな気分になった。こういう時にアメリカの豊かさを再認識させられる。







サンタの人形がリアルでちょっと怖い。

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Hamburger Habit

ウエスト・ロサンゼルスにあるHamburger Habitというハンバーガーショップを訪れた。ハンバーガーを食べにわざわざ1時間半もドライブしたのは初めてかもしれない。


店内は50年代のアメリカの雰囲気を残す造り。かのIn-N-Outとどことなく似ている。ハンバーガー好きには知られている有名店とのことだが、日曜の夜ということもあって、そんなに混んではいなかった。


レジで注文すると、切れ込みの入ったトランプのカードを番号札代わりに、飴と一緒に渡された。バーガーはもちろん注文を受けてから鉄板で焼く。



待っている間、店内を眺めていると、日本語が目に飛び込んできた。古い雑誌の切抜きで、ロサンゼルスのハンバーガーショップ第10位に選ばれたようだ。なんとその隣には、日本人客が日本から送った手紙が張られていた。そんなこともあって、僕らが日本人だと分かると、店員さんが「アリガト」や「コンニチハ」などと話しかけてきた。ボクも気をよくして、スペイン語で「グラシアース」と返した。



作りたてのハンバーガーは思ったよりもパティ(肉)が薄い。鉄板でこんがりと暖められたバンズ(パン)が硬めだっただけに少し物足りなさが残った。それでも普通のファーストフード店と比べれば品のある味に仕上がっている。フライドポテト(英語ではfrench fries)はつくり置きをしていたのか、ちょっと硬かった。


デザートにバニラシェイクを頼んだのだが、これが当たりだった。ボクは濃厚味のアイスクリームは苦手なのだけど、ここのシェイクは飲みやすくて、バニラの風味を堪能できる。



シェイクの入ったカップをさかさまにするパフォーマンスを見せてくれた陽気な店員さん。

実は雑誌で9位に選ばれていたFatburgerにも行ったことがあって、ハンバーガーだけならそっちのほうが好み。アメリカ生活が長くなるにつれて、好物であるハンバーガーの味にはちょっとうるさくなってきている。



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2009年12月20日

「狂ったチキン」

同僚とよく昼食を食べに行くEl Pollo Loco(エル・ポヨ・ロコと発音)。


スペイン語で「狂ったチキン」という意味の名前を持つこのチェーン店は、グリルチキンが売り物。タコスやブリトーといったメキシコ系料理をメニューに、カリフォルニアを中心とした西海外に店舗を展開している。


ファーストフードの中では、サブウェイと並んで比較的ヘルシーな品を選ぶことができる、貴重な存在である。


これだけのボリュームで775キロカロリーは悪くない。しかも値段は税込み5.64ドルとリーズナブル。

サンドイッチは飽きたけど、ヘルシーかつ安く食事をしたいという人に試してもらいたい。


メキシコ料理に欠かせないサルサは食べ放題。

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ダブルスコア?

中学や高校時代、バスケの試合で当たり前のように使っていた、ダブルスコアやトリプルスコア(それぞれ二倍、三倍以上の得点差がつくこと)。

今日何げなく英語で使ったら、同僚に「どういう意味?」と聞かれた。和製英語とは結構多いものである。

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2009年12月19日

ブリティッシュアクセントは心地よい?

最近テレビのニュースはもっばらイギリスの公共放送BBCを見ている。米国の地上波、ケーブルニュース局はCMが多すぎて我慢できない。しかも最近のケーブルニュース局は、FoxにしろCNNにしろ、視聴者の感情を煽り立てるようなセンセーショナリズムと論説ばかりで、インターネット掲示板とたいして変わらない。安価で視聴率がとれるのは分かるが、まともな報道を探すのが難しく、時間の無駄である。テレビをつけて腹が立ったので思わず愚痴をこぼしてしまった。

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2009年12月18日

社会見学

たった今オフィスに、社会見学で子供たちがやってきた。年に何度かこういう機会があるのだが、前もって知らされるということがないので、オフィスにいる者が即席でスポーツ部の説明をすることになる。あいにく他のメンバーが出払っていたので、狭いオフィスにぎゅうぎゅう詰めになった30人近くの小学生から高校生を前に、ボクが普段の仕事の様子について話をした。

最近は仕事の都合上、他人の話を聞くばかりで、人前で話をするということがほとんどないため、柄にもなく緊張してしまった。しかしアメリカ人というのはこういう時には積極的で、子供も大人もどんどん質問してくれるので助かる。「スポーツ面を読んでいる人?」と聞いてみたところ、ほんとかどうかは分からないが、多くの子供たちが手を挙げた。男の子も女の子も、ほとんどの子供が何かスポーツをしているため、他のニュースに比べて親しみやすいようだ。

新聞の記事が決して遠い世界の出来事ではなく、自分たちの生活と大きく関わっているのだということが子供たちに少しでも伝われば、社会見学の意味があるというもの。ましてスポーツの場合、読者が話の主人公にもなりうる。見学を終えた子供たちが、明日の朝どんな気持ちで新聞を開くのか楽しみである。

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2009年12月15日

ベテラン記者に学べ


この二週間で人事に大きな変化があった。

直属のボスであったスポーツ編集長が姉妹紙の編集長となり、ボクが報道部へ異動になったことで、スポーツ部に二人分の空きができた。そもそも四人しかいないスポーツ部から二人いっぺんに欠けるというのは無理な話で、臨時職員を一人スポーツ部にまわし、新しい人材を雇うまでボクがスポーツ部に残ることに。

スポーツ編集長職とボクの平記者職が埋まるまであと二週間はかかりそうなので、年末まではスポーツ部で働くことになりそう。このまま異動の話がなくなるなんてことにならなければいいのだが。

臨時職員としてスポーツ部に配属されたデーブは、元々うちの新聞で社会部編集長を務めていた敏腕記者である。数年前にロサンゼルス郊外にある大手新聞社に移ったのだが、不況の波をうけてリストラされ、直後にうちの編集長から声がかかったという。米国新聞業界の不況はうちのような小さな地方紙よりも、競争の激しい都会紙に大きな打撃を与えているのだ。

三十年近く新聞業界一筋で働いてきたデーブは、根っからの記者で、スポーツ部に配属早々、次々と記事のアイデアを提案し、毎日のように記事を書いている。人員不足の真っ最中、土曜日に高校フットボールのプレイオフ決勝戦が行われたが、彼のおかげで乗り切ることができた。この一週間だけでもデーブとの経験の差をまざまざと見せつけられた。

彼の緻密な取材と鋭いニュースへの嗅覚はオフィスにいても垣間見ることができる。記事を書いても、巧みな文章力はもちろんのこと、スポーツが専門外とは思えない文章構成。彼の仕事ぶりを観察しているだけでたくさんのことを学べる。ボクの記事を校正した時は、ただ直すのではなく、ボクにどうすればよくなるのかを考えさせるような的確な質問を投げかけてきてくれた。さすが元編集長。

とりあえずは臨時職員ということで、スポーツ部にまわされたデーブだが、平スポーツ記者として雇っておくのはあまりにもったいない。紙面デザインやスピードの要求される電話応対は慣れていないので、スポーツ部には不向きともいえる。それは編集長も承知のようで、近いうちにボクと一緒に報道部に移るらしい。

彼のような経験豊富な記者と机を並べて仕事ができるというだけで、今は楽しくてしょうがない。新しい職場に移るにあたって不安もあるが、師匠と呼べる存在が近くにいてくれるのは心強い。

ちなみに、偶然にもデーブは日本語を勉強していて、その時だけはボクが先生である。

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2009年12月7日

サンガブリエルで本格中華

ロサンゼルス郡には40万人以上の中国系アメリカ人が住んでいて、その大半はサンガブリエルバレーと呼ばれる地域に密集している。そのため、道路を走っているとあちこちで中国語の表示を目にする。

日曜日にグレンデールに行ったついでに、サンガブリエル市にある中華系ショッピングモール内の中華料理店で夕飯を食べてきた。巨大な店内は99パーセントが中国人で埋め尽くされ、店員さんの英語がつたなく、何といっているのかさっぱり分からない。でも適当に選んだ品はどれも美味しい。アメリカで久しぶりに味の濃すぎない中華を食べることができた。















これだけの量で60ドルは悪くない。

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グレンデールでホリデーショッピング

アメリカでは、11月末の感謝祭からクリスマスにかけて、モールがホリデーショッピング客で賑わう。この1ヶ月は小売店にとって最も稼ぎ時のため、セールやクリスマスイルミネーションなどで客を引き込もうと、どこのモールも必死である。

日曜日に訪れたロサンゼルス近郊にある、グレンデールのギャラリアも例外ではない。3階建ての駐車場はほぼ満車となり、モール内にはクリスマスツリーが飾られ、店内では警備員が万引き客にいつも以上に目を光らせていた。







ボクは子供の頃からアメリカのショッピングモールが大好きである。日本とは比べ物にならないくらいの規模で、一日中いても飽きない。一歩足を踏み入れると、女性化粧品店やアバクロから漂ってくる香水の匂いと、フードコートで売られているシナモンが混ざったような甘い香りが漂ってくる。

ギャラリアの向かいには、日本人に人気のH&Mが入ったザ・アメリカーナ・アット・ブランドがある。中央の広場では噴水を使ったイルミネーションが、ロマンチックな雰囲気を演出していて、カップルにはお勧めのスポット。













このショッピングモールの特徴は、まるでホテルのようなコンシェルジェサービスにある。敷地内に実際に人の居住するアパートがあり、そのロビーには複数名のコンシェルジェが常時勤務。アパートの住人だけでなく、モールを訪れた客の誰もが利用できる。モールの案内だけでなく、レストランの予約や旅行の手配、郵便まであらゆる要望に応えてくれるようだ。

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2009年12月5日

異動にともなうブログのタイトル変更

この度、希望を出していた報道部への異動がめでたく決まり、スポーツ以外の取材をすることになった。大好きなスポーツから離れるのは寂しい一方、新しい挑戦に既に胸が高鳴っている。

スポーツ部では紙面のデザインもこなしていたが、報道部では取材に専念できる。担当が何になるかは分からないが、何を任されても初体験。ほぼ一からのスタートである。

意見や主張の氾濫するインターネット時代に、真実を伝えられるジャーナリストでありたい。

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2009年11月27日

感謝祭ランチ

感謝祭の朝。出勤の準備をしようとベッドから起きると、一階からいい匂いが漂ってくる。階段を下りてキッチンを覗くと、なんとルームメイトが包丁を握って料理をしている。カウンターの上は材料でいっぱい。男三人暮らしを始めてこんなことは始めてである。ホットドッグやパスタのような簡単なものは自炊するが、本腰入れて料理を作る者はいなかった。

聞くとガールフレンドと一緒に感謝祭料理を用意しているとのこと。彼女の家でその子供たちと食事をするものばかりと思っていたので、不意をつかれた。もう一人のルームメイトも呼んで、みんなで昼食を食べようと誘ってくれた。彼らの優しさに感謝のサンクスギビングである。


典型的な感謝祭の食事。マッシュドポテト、スタッフィング(詰め物)、ビスケット、マカロニチーズ、七面鳥。ホワイトハウスでも、感謝祭を祝って似たような食事が並んだようだ。大統領のお気に入りは七面鳥とかぼちゃパイだという。


ルームメイトとその彼女に感謝。

デザートにパイも出たが、メインを食べ過ぎて腹に入りきらなかったので、仕事後に頂戴した。こうした歯止めのきかない食生活で、サンクスギビングからクリスマスにかけてアメリカ人は太っていく。ボクも注意しなくては。


誰もいないオフィス。感謝祭に働く記者はボクを含めてわずか数人だった。

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