実は昨年の十月に、高校と大学で同級生だった日本人女性と入籍し、彼女が仕事に就きやすい環境を求めて、ビクタービルを離れる決意をした。
新しい職場は、オレンジ・カウンティ・レジスター (OCR) というオレンジ郡の大手日刊紙。オレンジ郡はロサンゼルス郡に隣接し、日本人や他のアジア人が多く住む。
僕は、郡の南部に位置するランチョ・サンタ・マルガリータという市の担当記者として雇われた。OCRの本社はサンタアナにあるが、僕は普段はレイクフォーレストにある南部オフィスで働く。
五年間勤めたデイリープレスを離れるのは寂しいが、小さな新聞でやれることはやりきったという思いはある。
他紙がコスト削減に躍起になり、インターネット戦略に精力をつぎ込む中、OCRはたくさんのジャーナリストを雇い、「紙」製品の品質向上に投資する道を選んだため、業界から注目を浴びている。新聞の救世主になるかもしれない取り組みに関われることに、今からワクワクしている。