自己紹介

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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2011年5月22日

米メディアの国外ニュース報道

米国では新聞業界の衰退にともない、どの新聞も経費削減に躍起になっている。その大きな犠牲となっているのが、海外支局だ。インターネットに情報がありふれている今、どこの新聞も差別化を図ろうと、ローカルな報道に人材や資金を注いでいる。

アメリカン・ジャーナリズム・レビュー誌によると、1998年以降、20社が海外から完全撤退し、去年の七月時点で海外に支局を置いている米紙は11社のみ。2003年には300人以上いた特派員も、今や契約記者を含めても234人しかいない。アメリカで4番目に発行部数の多いロサンゼルスタイムズは、2003年の23支局から13にまで減っている。

東京にオフィスを構えているのは、ニューヨークタイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、そしてワシントンポストだけというのだから、アメリカで日本の存在感が薄くなっているのも納得だ。

それに加えて、新聞やテレビでの国外ニュースの取り扱い自体も減少している。冷戦終結以後からその傾向は始まり、9/11テロで一時は増加したものの、再下降し始めている。

インターネットでグローバル化が急速に進む中、メディアのローカル化は、アメリカに根強く残る孤立主義にどう影響を及ぼすのだろうか。

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