自己紹介

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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2012年12月21日

愛を伝えよう



近くの高校に出向いて、ティーネイジャー間のドメスティック・バイオレンス(DV)について学生たちの本音を聞いてきた。二年前に、被害者にインタビューしてDV関連の記事を何本か書いたのがきっかけで、地元の非営利団体とつながりができ、先週も被害者を保護するシェルターを訪れた。

日本ではDVが家庭内暴力と訳されることからも、夫婦間の問題だと考える人が多いが、恋人間でも同じような虐待は起こる。DVでは、一方が相手を独占したいという気持ちを愛情として押し付けることで、パートナーを支配しようとする。恋人が異性と仲良く話しているのを見て嫉妬し、やめるように促したり、暴力を振るったりするのはその典型だ。ありのままの相手を尊重し合える関係が健常なのだと、DVのカウンセラーはいう。

初めてこの問題を取材した時、自分にも加害者行動で思い当たるふしがあり、罪悪感が湧いた。でも問題に気づけたことは、その後の恋愛に役立った。気づき(英語ではawareness) 、そして素直に認めることが問題解決の出発点だ。

今朝の取材では、高校生たちと椅子を円に並べて座り、ディスカッションを行った。

アメリカ人のティーネイジャーたちは、日本人の同世代に比べて、恋愛観が発達している。もちろん個人差はある。それでも、多くの学生は自分たちの恋愛感情や関係を、親や友達にオープンに話す。校内を見渡しても、あちこちでカップルが手をつないだり、キスをしたりしている。ボディーランゲージや言葉で感情をストレートに表現して、たくさんの恋愛を重ねることで成長するのだろう。

今回のディスカッションに参加してくれたクラスでは、「I love you」を意味する手話を使って、クラスメートに「あなたのことを想っています」と伝える決まりになっている。恥ずかしそうに自分の恋愛の失敗談について話す男の子に、クラスメートたちが手話サインを送って励ます光景は、まるで映画のワンシーンだった。

好きな人に愛情を伝えることの大切さを、アメリカで暮らすうちに学んだ。

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2012年12月17日

いまだにガイジン扱いの外国人選手


スポーツ新聞のプロ野球記事を読んでいると、ボクが日本にいた7年ほど前と、日本人の国際感覚がさほど変わっていないのだと感じてしまう。


今も昔も、日本でプレイする外国人選手たちは、「助っ人」と呼ばれる。この表現は、彼らがチームの正式メンバーではない、一時的な存在であることをほのめかす。会社でいうところの「ハケン」のようなものだ。

日本に住む外国人の友人たちは、日本人は親切だけど、彼・彼女たちをいつまでもお客さん扱いして、日本人と同じようには扱ってくれないと口にする。見た目や生まれ育った環境が違っていては、どんなに努力しても「日本人」にはなれないということなのだろう。

アメリカでイチロー選手が助っ人などと呼ばれることはない。日本人だろうが、あくまでヤンキースの一員として扱われる。ボクもアジア人が一人だけの今の職場で、よそ者扱いされたことはない。同僚たちと対等の一記者である。

正直言うと、ボクもアメリカに来た当初は、自身を含めた米国外からやってきた移民や他国籍の人間を、米国籍の人間とは別のカテゴリーとして無意識のうちに区分していた。日本で生まれ育ったことで、そうした感覚が染み付いていた。でも、他国で生まれ育ったことに興味をしめしつつも、お客さん扱いをしないアメリカ人の姿勢に徐々に慣れてきた。

日本人の通念を崩すためにも、まずは「助っ人」という呼び方をやめてはどうだろうか。

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