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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2017年9月27日

カリフォルニアライフを満喫できるサンクレメンテの魅力を、名物記者が語ってくれました

O.C.にはロサンゼルスほど知名度はないけれど、美しさや雰囲気ではひけをとらない穴場ビーチがいくつもあります。

そんな中で、僕がお気に入りのリゾート街がサンクレメンテ。オレンジ郡の南端でサンディエゴ郡と隣接するこの町は、サーフィンのメッカとしても知られています。

サーフィンのメッカとして知られるサンクレメンテでは、賑やかなLAとは違ったのんびりとしたリゾート感が味わえます。
僕はサンクレメンテにあるレジスターの小さな支局で一年ほど働いて以来、すっかりこの街のファンになってしまいました。

まずなんといっても気候が最高。季節や朝晩の気温差が少なく、一年を通して18-26度くらいなので、冷暖房がいりません。オフィスのドアを開けておくと、心地よい海風が入ってきます。

レジスターのオフィスがあるメイン通りには、おしゃれなお店やレストランが並んでいて、地平線には海が望めます。気分転換に10分ほど散歩してビーチのベンチに座って記事を書くこともありました。

メイン通りのAvenida Del Marの先には太平洋が見えます。
まさにリゾート気分を味わえる夢のような仕事環境でした(今はディズニーランドのそばですが、やはりビーチにはかないません)。

サンクレメンテを取材して47年の名物記者フレッド。
そんなサンクレメンテを取材して47年というレジスターきっての名物記者が同僚のフレッド・スウェグルズ。

小学一年生からサンクレメンテで育ち、大学を卒業してからサンクレメンテの地元紙サンポストで記者として働き始めました。サンポストがレジスターに買収されてからも、サンクレメンテを担当し続けています。

サンクレメンテという名前のついている町を自費でめぐり、11カ国を訪れるほどのマニアですが、地元密着を貫くジャーナリストとして尊敬しています。

今回は、サンクレメンテを知りつくす彼にインタビューして、サンクレメンテの魅力について語ってもらいました。

南カリフォルニアを旅行する人、もしくは住んでいる人にはぜひ立ち寄ってもらいたいスポットなので、参考にしてもらえればと思います。



サンクレメンテは他の南カリフォルニアのビーチタウンと比べてどんな魅力がある?

サンクレメンテは海と山、緑地に囲まれているから、周りが造成地のロサンゼルスやオレンジ郡の街とはちょっと違うんだ。

サンクレメンテの人たちは人口が増えても、ビーチタウンの精神を大事にして誇りに思っている。押し寄せる開発の波に反対して、地中海風の「村」としての雰囲気を残そうと頑張っているよ。

(最近、海を見下ろせる高台にアウトレットモールができたのですが、街の雰囲気を壊すのではないかと反対の声がありました。)

フレッドはどうしてサンクレメンテに住み続けているの?

僕は放浪癖があるんだ。大学生の時に兄がサーフィンをしながら世界を旅していたから、僕も同じことをしたかった。運がいいことに、当時のサンポストの上司が、まとめて数ヶ月の休みを取りたいという僕の希望を受け入れて雇ってくれたんだ。だから最初の頃は長期休暇を何度もとってた。今はそういうわけにはいかないけど、それでも年に何度かは国外に旅をしてるよ。

あまり一箇所に落ち着きたくないから、家も買ったことないし、結婚もしてない。ローンの返済にお金を使いたくないから、新車も買わない。そういう意味ではずっとフットルース(束縛されずに自由気ままに生きる)だね。

以前は副業としてサーフィン専門の商業カメラマンとしても働いていて、18年間くらいそれで世界を回ったよ。日本にも行ったことがある。1988年に(伊豆諸島の)新島でサーフィンのコンテストを取材するためゲストハウスに泊まったんだ。僕も自分のボードを持って行ってやったけど、すごく波がよかったのを覚えているよ。

サンクレメンテは旅の拠点ってこと?

そうだね。サンポストで働くことで、仕事をしながら旅をさせてもらえたしね。

サンクレメンテは僕のホームタウンでもあり、暮らしやすいから、帰る場所としては申し分ないよ。僕は海岸近くのアパートに住んでるんだけど、小さな街としての雰囲気が残ってるのが気に入ってる。

あなたはうちの新聞で最も長く一つの地域を取材し続けているけど、その魅力って何?

毎日違った体験ができて、コミュニティーにいい影響を与えられるところだね。地元紙は、コミュニティーの一体感を生んで、小さな街の雰囲気を保つ手助けができる。

住民の人が近づきやすいようにということを常に心がけてるよ。

(確かにサンクレメンテのオフィスのドアはいつも開けっ放しで、記事ネタを持ち込む住民がひっきりなしにやってきていました。)

僕の役割は街で起きてることをみんなに知らせて、気になることがあったら問題提起をする。おもしろい取り組みをしている住民を取り上げるのも重要な仕事だね。

サンクレメンテ住民のライフスタイルってどんな感じなの?

もちろん人によって異なるから一般化は難しいけど、イメージで言えば、サーフィンをしながらまったり暮らしている感じかな。でも色々な職業の人や世界中から来た人たちが住んでいるよ。

街の南側にはサーフィン関係の店が並んでいて、日本人のサーファーたちもたくさん訪れている。彼らは(世界的に有名なサーフスポット)トレッスルズの波に乗りにやってくるんだ。中にはサンクレメンテに住み着く日本人もいる。

(同じくオレンジ郡にある)ハンティントンビーチで開かれるUSオープンはすごい観客を集めるけど、波の質ではサンクレメンテが上だね。

観光に来た人がサーフィンをしている人を眺められるオススメのスポットはある?

メインの桟橋の上からはいい写真が撮れるよ。

サンクレメンテ支局にいた頃は、よくこの桟橋まで散歩に来ていました。
あとはその南にあるT Streetビーチも人気があるね。夏は日の出から10時、11時くらいまでサーファーたちで賑わってる。午後6時くらいになるとまたサーファーたちがやってくる。

地元の人にはその南のリビエラも人気があるけど、住宅街にあるから夏は駐車スペースがなかなか見つからないかも。

地元民に人気のレストランは?
  • Pedro's Tacos — 1986年創業のタコス屋。名物はフィッシュタコス。
  • The Fisherman's Restaurant & Bar — 桟橋の上にある人気店。海に沈む夕日を眺めながらシーフードディナーが楽しめる。
  • BeachFire Restaurant — 地元民が集う雰囲気のいいお店。毎日、生演奏が聴ける。
  • Nick's San Clemente — モダンアメリカンのお店。O.C.発でロサンゼルス方面にも進出中。
  • H.H. Cotton's — 古風とモダンを組み合わせたスポーツバー。腹一杯にアメリカンフードを満喫したい人にオススメ。

サンクレメンテならではの気分を味わえるイベントや散策コースは?

街の北から南までビーチを散歩できる2.6マイル(4.2キロ)のトレイルがオススメだね。



イベントでは、7月に開かれるオーシャンフェスティバルかな。ボートレースを見学したり砂浜ランに参加できたりする。

8月には、ダウンタウンでサンクレメンテフィエスタという音楽祭がある。あと10月1日には、チャウダー料理コンテストが目玉のシーフェストが開かれるよ。

ロサンゼルスからMetrolinkが出てるから、のんびりと電車の旅をするのもいいね。(電車はビーチの目の前に停車)。

でも本数が少ないから、スケジュールをチェックしておいた方がいい。



サンクレメンテを散歩していると、フレッドのように自然体で気ままに人生を楽しんでいる人々の空気を感じることができます。それが日々の疲れを癒してくれて、心地よいのです。

観光地化されたL.A.のビーチが嫌だという人は、ぜひサンクレメンテでO.C.の優雅なライフスタイルを味わってみてください。

太平洋に沈む夕日は必見です。

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