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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2010年6月10日

13歳でエベレストに登った少年

選挙から一夜明け、今日は朝からビッグベア湖に向かった。五月に、史上最年少でエベレスト登頂に成功した、ジョーダン・ロメロ君(13)の帰省祝賀会の取材である。

ビッグベア湖は、ロサンゼルスのダウンタウンから、車で東に2時間ほど走ったところにあるリゾート地。海抜2100メートルに位置するため、高地トレーニングを行うアスリートも多い。


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まずは、ジョーダン君の通う地元の中学校でのサプライズ集会へ。現れたのは、帽子をエロかぶりした、一見どこにでもいそうな中学生。しかし、有名になった同級生を前にして、悲鳴をあげ失神寸前の女の子も。登山のスライドショーを見た後、短い質問タイムもあったが、さすがは中学生、馬鹿らしい質問が飛び交った。



場所を移して、スキー場の頂上にあるロッジで記者会見が行われた。夏にリフトに乗って眺めるビッグベア湖も悪くない。会見前には、エベレスト登頂にちなんで、ネパール料理が振舞われた。


ジョーダン君は、小学校の廊下にあった七大大陸最高峰の絵を見て、その全てを登ってみたいと父親に話したのをきっかけに登山を始めた。冒険家である父親のポール・ロメロ氏は、9歳の息子が一週間かけてそれぞれの山について調べあげたのに感心し、「じゃあ家に帰って始めるか」とだけ言ったという。

それからわずか四年間で、キリマンジェロに始まり、6大陸の最高峰を制した。今年の12月には南極のヴィンソン・マシフに挑戦して、七大大陸制覇の夢を実現する予定だという。



まだ13歳の子供に無茶をさせすぎだという批判もあるが、ポールさんは「13という数字にほとんど意味はない。ジョーダンの肉体は、ボクの知っているほとんどの大人の登山家よりも、ずっと優れている」と反論した。

実際にジョーダン君は、エベレスト登頂に向け、中学校を休学して肉体改造と高地トレーニングに励んだ。ポールさんと彼のガールフレンドは、エベレスト登頂成功の一年前に現地に下調べに訪れて、綿密な計画を練ったという。また、ポールさんの話では、ジョーダン君はビデオゲームや炭酸飲料、ファーストフードには手をつけたことがないらしい。

ジョーダン君は、将来はアクションスポーツに挑戦するんじゃないかとポールさんは言っていたが、こんなに若くして夢を実現してしまった13歳の少年は、この次どんな目標を抱くのであろうか。

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2 件のコメント:

  1. はじめまして。

    私はビッグベア湖畔の太陽観測所に短期で滞在している大学院生です。
    橋本出身とお聞きしましたが、私も淵野辺にある宇宙研(JAXA)に行ったときにはよく橋本まで足をのばしてMOVIXで映画を見ていました。

    それにしても、こんな近くにすごいアスリートがいたのですね。

    それでは、失礼いたしました。

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  2. vindemiatrixさん

    コメントありがとうございます。MOVIXにはボクもよく行っていました。橋本って意外と穴場なんですよね。

    ビッグベアには、ボクシングのデラホヤや、マラソン選手なんかがトレーニングに訪れているようです。

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