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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2017年7月16日

カリフォルニア住民はコミュカレを活用すべし

ぼくが担当するアーバイン市には、3つの大学があります。

カリフォルニア大学アーバイン校(州立)、コンコーディア大学アーバイン校(私立)、そしてアーバイン・バレー・カレッジ(2年制)。これらの大学は地元経済などに与える影響も大きいので、よく取材に行きます。

今週は、アーバイン・バレー・カレッジ(IVC)が週末プログラムを提供しはじめるという記事を書きました。

指定されたクラスをとれば、2年間で4年制大学に編入できる学位を得られるというこのプログラム。クラスは全て金曜の夜から日曜に開講されるので、平日は仕事や育児で忙しいという人たちをターゲットにしています。

話を聞いた担当の学部長いわく、アメリカの大学では、生徒がスムーズに卒業できるようにPathways(経路)を示してあげるのがトレンドになっているそうです。週末プログラムもそうした取り組みの一つ。

IVCでは、生徒が希望の4年制大学に編入するために必要なクラスをちゃんと受講しているかを、カウンセラーなどがチェックする仕組みをつくりはじめました。

というのも、IVCの学生の95パーセントが2年たっても4年制大学に編入しないという実態があるからでしょう。43パーセントの学生は、6年たっても編入しないというデータもあります。

そもそもコミュニティカレッジと呼ばれる州立の2年制大学には、様々な学生が集まってきています。

4年制大学への編入を目指す人。

高校を卒業したので、とりあえず大学に行ってみる人。

特殊技能を身につけたり、資格をとりにきたりする人。

こうした色々なニーズに応えるコミュニティカレッジは、同じく2年制である日本の短大とは存在意義が異なるのです。

もはやカリフォルニアで4年制大学の卒業を目指す人にとっても、コミュニティカレッジは欠かせない存在になっています。

高騰を続ける米大学の学費。例えば、カリフォルニア大学系列校は、たとえ州民であっても年に1万3500ドル(約150万円)の学費がかかります。これに寮費などが加わると、3万ドルは超えます。

コミュニティカレッジは諸経費を含めても年数千ドルなので、その後に4年制大学に2年通っても相当にお金が節約できるのです。実際、カリフォルニア大学系列校の学生の約3割、カリフォルニア州立大学系列校の約半数が、コミュニティカレッジ出身です。

IVCでは地元の公立高校と提携して、高校卒業までに2年制大学の単位をとり終えられるというプログラムも提供しています。つまり、高校を終えてから2年間で4年制の学士をとれてしまう。いかにもアメリカらしいですね。

息子が生まれたばかりの父親としては、将来の学費がすでにちょっとした心配の種。こういうプログラムを活用して親孝行をしてくれないものかと、今から期待を膨らませてしまっています。

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