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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2011年7月28日

なでしこブームはいつまで続く?

ニュースを見ていると、日本中がなでしこブームに沸いているようだ。

なでしこリーグの試合には数千人の観客が詰めかけ、雑誌やインターネットなどでは、なでしこジャパンに学ぶ経営論などといった便乗記事を目にする。彼女たちの活躍からすれば当然のことだが、心配なのは熱気が冷めた時である。

日本人はメディアやワイドショーの作り上げたブームに弱い。ボクはこれを勝手に、「クリスピークリーム現象」と呼んでいる。新宿サザンテラスに同名のドーナッツ店がオープンした際に、ワイドショーを見た人々が連日、長蛇の列を作ったことにちなんでいる。(アメリカでもクリスピークリームが、発祥地の南部から全米に店舗を拡大し、ブームになった時期があるが、今では業績不振で店舗閉鎖に追い込まれている)

アメリカでも日本でも、女子スポーツを含めたマイナースポーツは、オリンピックやワールドカップといった一時の盛り上がりに支えられている。オリンピックで個人や団体がメダルをとった後は、一気に盛り上がるが、4年間もブームが続くことは少ない。だけどその間も、選手たちはお金を稼ぎながら、毎日トレーニングを行わなければならない。

数年前に、なでしこリーグから、ハイデザートのセミプロチームに移籍してきた女子サッカー選手に取材したことがある。なでしこリーグの選手たちは、サッカー好きの投資家とアルバイトや親からの支援に頼りながら、大学や高校を卒業してもサッカーを続けているのだという。

少しでもいい環境でサッカーをしようとする意欲のある選手は、アメリカの大学やリーグに飛び込んでいく。もちろん通訳などはいない。アメリカの大学でプレイするには、教室内でもしっかり勉強しなくてはならない。しかも英語での授業。

男子の野球やサッカーと違って、彼女たちにレールは敷かれていない。自分の道は自分で切り開くしかないのだ。まばらな観客たちの前で声を張り上げてボールを蹴る彼女たちは、スポットライトを浴びて大金を得るためにスポーツをしているのではない。ただ、サッカーが好きで好きでたまらないのである。

なでしこジャパン優勝の陰には、そんなドラマがあることを知ってほしい。

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1 件のコメント:

  1. そうですね。大きな結果で初めて注目を浴びますが、そこまでの道は地味で目立たない。なでしこリーグの観客動員数は、世界一になるまでは1000人にも満たなかったそうです。

    そんな環境から世界一になったという、そのドラマにも感動と勇気をいただいた気がします。

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