スタート前の演出も凝っていて、催涙ガスの煙の中にヘリコプターが着陸し、黒いユニフォームに身を包んだSWAT隊員が、ライフルを構えながら降り立った。まるで映画のワンシーンだ。日頃からウェイトトレーニングに励むアメリカの警官はガタイがいい。ボクは普段、彼らの気に入らないような記事を書くこともあるが、あの体格で制服を着られると確かに格好いい。
スタートと同時に巨大な爆発が起こり、参加者たちは歓声をあげながら走り出した。中にはスーツづくめの男性や、ハロウィーンにありがちなミツバチの衣装をまとった女性集団などもいた。
詳しい様子は、参加者たちが撮影したビデオを見てもらうといい。
2ヶ月ほど前にも、ウォーリアーダッシュという障害物走に参加したが、起伏が激しくて泥沼だらけの今回のコースの方が、体力的にはハードだった。前回は頭にカメラをつけて、一緒に参加した仲間をビデオ撮影しながらの完走だったが、今回は運動不足の体にむち打って真剣に走った。
泥沼が深くなっているところがあって、足が抜けずに何度も顔からダイブしそうになったが、何とか49分でフィニッシュ。泥だらけの体と服を強力な屋外シャワーで洗い流したが、靴は泥が染み付きすぎて、やむなくリサイクル箱に捨てて帰った。
危険だとか汚れるだとかいう細かいことを気にせず、はしゃいでストレス発散できる機会の多いのも、この国の魅力である。
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