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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2016年12月28日

日本とアメリカ、ここが違う! お正月編

年末のこの時期になると東京が恋しくなります。

忘年会やクリスマス、大晦日、お正月、新年会とイベントが目白押しな都会の雰囲気は、オレンジ郡のような郊外では味わえません。12月でもTシャツと短パンの南カリフォルニアでは季節感もありません。

日本とアメリカではクリスマスの祝い方が違うことを書きましたが、お正月の重みや過ごし方も国によって異なります。今回は日本人がびっくりするアメリカのお正月習慣を紹介します。

LAユニバーサルスタジオで新年カウントダウン後に打ち上がる花火。

1.クリスマスのおまけ

年末年始が旧年を振り返って新年を祝う期間であることは同じです。でも、感覚的にはアメリカの年末は11月末の感謝祭後くらいから始まります。

その長いお祭りシーズンも終わりに近づき、余韻に浸りつつ新しい一年に備えるのがクリスマスから元日にかけての一週間。日本ではここからがメインイベントですが、アメリカでは新年はクリスマスのおまけのような存在です。

日本では一般的に12月28日頃に仕事納めで、1月3日まで休みという人が多い。でもアメリカでは、(地域や職場によって大晦日も休みの場合がありますが)祝日は1月1日だけです。

2. 大晦日はパーティー

日本では地元に帰って家族や親戚とのんびりお正月を過ごす人が多いですが、アメリカでのそうした時期はサンクスギビングやクリスマスです。

大晦日の晩は友達と家やバーなどに集まったり、イベントに参加したりしてカウントダウンを楽しみます。日本人がテレビで「紅白歌合戦」と「ゆく年くる年」を見るように、アメリカ人は有名なNYタイムズスクエアのボールドロップ中継を見て新年を迎えます。年が明けた瞬間には、大切な人とキスをしたり、周りの人とハグをしたりするのがならわしです。



ちなみに僕は2003年大晦日にタイムズスクエアでのカウントダウンに参加しました。午後5時くらいから寒さやトイレを我慢しながら立ちっぱなしで待ち続け、数百メートル先に光る球体がかすかに見えました。話のネタに一度は体験してみてもいいかもしれませんが、あまりお勧めはしません。

3. 元旦は夜更かしの疲れを癒す日

おごそかさとはかけ離れたパーティーで新年を迎えた後は、1日かけて疲れと休みボケを治し、1月2日には日常生活に戻るのがアメリカです。

もちろん初詣やお年玉といった習慣もありません。それとアメリカには年賀状がなく、家族や親しい友人にはクリスマスカードを送ります。新年が持つ宗教的、文化的意味が薄いのが、日本との大きな違いです。

また、日本のお正月番組といえば箱根駅伝ですが、アメリカでは元日にローズパレードが全米中継されます。カリフォルニア州パサデナで行われるこのパレードには、花で装飾された巨大山車や世界中から選りすぐりのマーチングバンドが参加。そこに毎年出場しているのが、僕もお手伝いさせていただいている日本のグリーンバンド協会です。

日本の高校生や大学生たちが堂々たる演奏をして、沿道を埋め尽くす数十万人もの観衆から喝采を浴びる光景には胸を打たれます。今年は(元日が日曜日のため)1月2日のパレードに岐阜商業高校が日本代表として出場しますので、ぜひエールを送りましょう。


2016年元旦にローズパレードに参加した東邦高校マーチングバンド。

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