自己紹介

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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2010年3月29日

読者の反応

報道で記事を書くようになってから、毎日のように読者から電話やメールが来る(アメリカの新聞では署名付きの記事が当たり前で、ボクのように連絡先を載せている記者も多い)。

スポーツの時も一週間に数回程、読者から記事への反応があったが、その多くが苦情や自分のチームを取材しろという内容だった。

それが今では記事を書くたびに、少なくとも数件の反応が寄せられる。ある強盗事件の公判記事を書いた翌日には、容疑者の母親から自分の息子を犯人扱いするなという怒りの電話があった。

記事への賞賛や苦情は自分にとっての肥やしになるので嬉しいが、困るのは記事を書いたというだけで、専門家扱いされてしまうこと。担当の裁判に関してすら未だ素人なのに、たまたま書いた一般ニュース記事に関しても次々と質問される。

いくつか医療についての記事を書いたものだから、保険の適用や診察を拒否された人々から、どうすればいいのかという質問や不満が寄せられてくる。個人的には民主党の医療保険改革を支持しろと言ってやりたいのだが、そんな単純な問題でもない。

また、一ヶ月ほど前に、ボランティアに参加すれば、ディズニーランドのタダ券がもらえるというキャンペーンを取り上げたため、それについての問い合わせが未だにかかってくる。記事の中で詳細はディズニーのホームページでと明記したのに、そんなことお構いなしだ。

家庭裁判所で起きた判事の不祥事を取材した際は、裁判の結果に不満を持つ夫婦や親たちから、自分たちの問題も記事にしてくれとひっきりなしにメールや電話が来た。どちらか一方が勝てば、もう片方は必ず不満が残る家庭裁判所の訴訟を、一つ一つ記事にしている時間などない。

苦情を真正面から受け止める面の皮の厚さと、ひっきりなしに入ってくる読者からの情報をうまく選別するスキルが新聞記者には欠かせない。

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