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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2015年9月24日

Rancho Mission Viejo: オレンジカウンティ最新の計画都市がオープン

ロサンゼルスの郊外として発達したオレンジカウンティ。過去60年ほどで、開発は郡の隅々にまで広がりました。

そんなオレンジカウンティで最新の計画都市が、郡の南に位置するランチョ・ミッション・ビエホ。サン・ホアン・カピストラーノの東にある丘陵地を切り開いて造成が進んでいます。最終的には、1万4000戸もの家やアパートが建てられる予定です。

オレンジカウンティで問題になっている、不動産価格の高騰と住宅不足を緩和するのではないかと期待されています。

ランチョ・ミッション・ビエホは、いくつかのヴィレッジで構成され、先週末に第2のコミュニティー、Esencia(エッセンシア)が一般向けにオープンしました。興味のある人は、モデルハウスをまわって家を予約することができます。


地図は開発業社であるRancho Mission Viejo Companyの位置新しいヴィレッジはその周りに広がっています

ビジターセンターに飾られているエッセンシアの完成図。
ぼくは取材担当地域ということで、開発業者に招待されて先行ツアーに参加。

まだ完成には遠いですが、舗装された道沿いに42のモデルハウスが立ち並んでいました。昨年訪れた時は、まだ未開発だった丘陵地が、わずか一年でここまで様変わりするのかとびっくりしました。エッセンシアは丘の斜面に造られているので、眺めのいい日には、ダナポイント沖の海がわずかながら見えます。

エッセンシアはランチョ・ミッション・ビエホの中でも特に高い位置にあるので、眺めがいいです。写真に写っているのは、開発業者の副社長。
家の値段は、50万ドル弱(6000万円)から120万ドル(1億4000万円)。フリーウェイや海から少し離れているので、南カウンティの新築としては低めの設定です。

ベッドルーム4つ、バスルーム5つで350平米と最も大きな物件を見せてもらいました。外から見るとそんなに大きくは感じませんが、二階を歩いていると迷子になりそうな作りでした。二階のバルコニーからは、180度景色が見渡せます。裏庭には、眺めのいいプールと、fire pit(薪ストーブ)を囲んでくつろげるスペースが。

豪邸に住みたいという願望はないんですが、見て回るのはなぜか心がウキウキします。

一階のリビング。いかにもアメリカの家といった感じ。
外にはプールと薪ストーブ。薪ストーブを囲んでくつろげるスペースの床には、数センチの水がたまるようになっていて、暑い日には涼しさを演出します。
ランチョ・ミッション・ビエホの各ヴィレッジには、住民が集うためのクラブハウスやカフェ、公園や散歩道、それに共同農場(community farm)などがあります。共同農場にお金を払って参加すれば、好きな時にだけ畑を耕すことができるそうです。収穫された野菜や果物は、参加者全員に均等に配分されるとのこと。

エッセンシアの共同農場。職員が常駐しているので、住民は好きな時だけ耕すことができる。
ランチョ・ミッション・ビエホを開発するRancho Mission Viejo Companyコミュニティーと会社の名前が一緒でややこしいがもともと南カウンティの大部分を牧場として所有していました郊外化の流れが押し寄せる中でただ空き地を売り渡すのではなく自らが開発に携わる道を選択これまでにミッションビエホランチョ・サンタ・マルガリータラデラランチといった計画都市を造ってきて今回が最後の大規模プロジェクトになります

開発担当者は、人々の嗜好の変化とともに、コミュニティーの形も変わってきていると言います。

これから大量に退職を迎えるベイビーブーマーたちは、これまでの中高年層と違って、自分たちを老人だとは考えません。マウンテンバイクといったアクティブスポーツを嗜み、若者と一緒に地ビールバーなどでナイトライフを楽しみます。55歳以上専用区域には、あえてゲートを作らなかったそうです。

日本では若い人の車離れが進んでいますが、アメリカでもそれは同じ。ランチョ・ミッション・ビエホには、ヴィレッジ同士をつなぐ自転車道があり、ゴルフカートで移動している人もいました。メルセデス社は、ランチョ・ミッション・ビエホと提携して、近隣のショッピングセンターにシャトルサービスを運行しています。

都会だけでなく、郊外の姿も変わってきているってことです。買うつもりがなくても、モデルハウスに足を運ぶと、アメリカの住宅事情がわかって面白いですよ。

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