多くの日本人が、2011年3月11日に何をしていたかを覚えているように、アメリカ人にとってもそういう日があります。
日本軍による真珠湾攻撃。ケネディ大統領暗殺。そして、2001年の同時多発テロ。
テロ事件以降、9月11日はPatriot Day (愛国の日)に指定されています。星条旗は反旗の位置に下ろされ、世界貿易センターに第一機が突入した東海岸午前8時46分には、犠牲者のために黙祷が捧げられます。今年も、オレンジカウンティのあちこちで、被害者を弔い、救助に当たった消防士や警察官、対テロ戦争に従事した軍人を讃える集会が開かれました。
僕は、担当地域のランチョサンタマルガリータ市が催したセレモニーを取材。地元のボーイスカウトとその家族を中心に、数百人が街の公園に集まりました。
そんな中、僕の印象に残ったのは、厳かな式の最中に聞こえてきた歓声。公園内にあるフットサル場で試合が行われていました。
9・11ほどの事件でも、時が経てば人々の記憶とともに薄らいでゆくものです。今の高校生や大学生には、14年前の事件を覚えていない者も多いはず。小・中学生などは生まれてすらいなかった。
現実はいずれ歴史になります。
それでも9・11のセレモニーに参加していると、空港のセキュリティーは緩く、大都市でもテロに怯えることがなかった時代を思い出します。あの日以前の世界があったことを再確認させてくれるのです。
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