自己紹介

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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2011年1月31日

旅の社会科学

オレンジ郡のブレアという郊外の街を散策しに行った。ハイデザートから一時間ちょいとは思えないくらい緑が豊かでのどか。


雲一つない青空から太陽が照りつけて、病み上がりのボクも含めてみんなTシャツ姿。まだ一月だってのに。

アメリカ人がカリフォルニアに住みたがる理由が分かる。

帰りは高速を使わずに、下道を使ってオレンジ郡からサンバーナディーノ郡までドライブ。雄大なサンガブリエル山脈に向かって走るのは気持ちがいい。


内陸のサンバーナディーノ郡に入るにつれて、景色も変わってくる。オレンジ郡の住民はカリフォルニアでも有数の教育水準と所得を誇るが、サンバーナディーノ郡はその逆。

ハイデザートに向かうにつれて、徐々に街が廃れていく様子は明らか。小さくてオシャレな店やレストランは減り、大手のディスカウント店やファーストフード店が増える。

人種構成は、白人多数からヒスパニックだらけに変わる。ブレアで当たり前にいたアジア人は、サンバーナディーノではほとんど見かけない。

地域ごとの地理や経済状況が街の様子に反映されているのを観察するのが、ボクの旅の楽しみ方の一つだ。

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2011年1月30日

進むメディアの統合

うちの親会社のフリーダムコミュニケーションが、メディア・ニュース・グループ社と合併するかもしれないと、ウォールストリート紙が報じた。

いつものことながら、自社の大事なニュースは働いている社員には全く伝わってこない。社名の一部のはずのコミュニケーションは、どこへいったのか。自分たちのことを、他社にスクープされるのは恥ずかしい。

フリーダムが破産した時の債権者がメディアニュースの債権者でもあって、いくつか持っているメディア会社の統合を考えているとのこと。これは苦しい経営を迫られているメディア全般で起きている現象なんで、そう驚くことではない。

なんで職場で話題になったかというと、メディアニュースはうちの準競争相手であるサンバーナディーノ・サン紙を所有しているから。他にも近隣地域の新聞をいくつか持っている。もし親会社の合併が実現したら、近くの新聞同士の合併もありうるかも。少なくとも競争よりは、協力に変わっていくはず。

サン紙はサンバーナディーノ群全域をカバーしてると標榜してるけど、ハイデザートでの存在感は到底うちに及ばない。逆にうちは、ハイデザート以外の地区はほぼノータッチ。

若くて野心のある記者ナターシャは、もし競争がなくなったらつまらないとぼやいていた。ボクはというと、ニュースを聞いて始めに頭に浮かんだのが、もっとたくさんの人に自分の書いた記事を読んでもらえるかもしれないということ。それにサンと協力することで、もっと大きな仕事ができたり、いい記事が書けたりするかもしれないって思った。

どこまでも楽観的で危機感のない自分である。昔はもっと負けず嫌いなはずだったんだけど。


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2011年1月29日

郡の中央裁判所へおでかけ

早起きして、サンバーナディーノ郡の中央裁判所で、連続BBガン発射事件の公判を取材してきた。

ハイデザートを含むサンバーナディーノ郡は、大陸部アメリカ合衆国で最も面積が広い。郡庁所在地のサンバーナディーノまでは、ビクタービルから車で峠を越えて片道50分くらいかかる。中央裁判所へは、地元と関係のある大きな事件があると、たまに出かける。

サンバーナディーノ郡は、ロサンゼルスの近くや海岸沿いに住めない低所得者層がやってくるベッドタウン。それに合わせてギャングが引っ越してきたり、通りすがりの犯罪者たちが広大な砂漠に死体を棄てたりするんで、凶悪犯罪ニュースには事欠かない。

郡内には九つの地方裁判所があって、事件があると基本的には最寄の裁判所で扱われる。近くに人口の密集する中央裁判所は、普段ボクが通いつめるビクタービル裁判所の数倍はあるバカデカイ建物だけど、内装はやたらに古くてぼろい。サンバーナディーノの街の雰囲気といい、郡の金欠ぶりを猛アピールしている。

中央裁判所

今朝、取材したのは、郡内を走る高速道路で起きた連続BBガン発射事件。昨年、70台以上もの走行中の車の窓ガラスが割られた。数ヶ月経っても犯人が見つからないんで、カリフォルニア高速パトロール隊が業をにやして大捜索を行った。

覆面捜査官の目の前で、隣の車の後方ガラスを打ち抜いた犯人はその場で逮捕。ハイデザートで衛星放送の取り付け会社を経営する男性だった。しかも、奥さんが元うちの新聞社の社員。誰かに腹を立てての犯行という噂もあったけど、結局、動機は分からず。

司法取引がまとまったんで、今朝は刑の宣告が行われた。被告人の家族が約100万円の賠償金を支払ったのが確認された後、判事が懲役6年を言い渡した。被告人家族はノーコメントだったけど、法廷に来ていた奥さんは離婚を考えているらしい。

ちなみに、車に戻ると、ワイパーに駐車違反キップがはさんであった。どこまでも腹の立つ行政である。

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2011年1月28日

じつはすごいこと

iPhoneを使い始めてもうすぐ二年。もうこれなしじゃ生活できない。

どこでもインターネットに接続できるってのは、好奇心のかたまりである自分にとって最高の恵み。分からないことがあったら、すぐにグーグルのがクセになってる。

これってよく考えるとすごいこと。世界中の知がポケットに収まっちゃうんだもん。

子供の頃、人に聞く前に辞書で調べろと親に言われて、辞書を見つけるのが大変だから誰かに教えてもらったほうが早いのにって思ってた。でもたった10年で、自分で調べた方が誰かに訊くよりずっと早くて正確な情報を得られる時代になっちゃったんだな。

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2011年1月27日

ダウン

今の会社に勤めた三年間で初の早退・欠勤。情けない。

風邪がひどくて、昨晩はほとんど眠れなかった。一日休もうと思ったけど、五歳の男の子を拷問・虐待したギャング一家の予備審問があるんで、どうしても午前中だけはと自分に言い聞かせて、裁判所にでかけた。

そしたら検察官が告訴を提出し忘れてて、審問が直前で延期に。クーラーのガンガンにきいた法廷に座ってたら、症状も悪化。勘弁してもらいたい。

オフィスに行ったら、(いつものことだが)自分がいなくてもどうにかなると言われたんで、早退させてもらった。

体調管理のちゃんとできるプロにならねば。

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2011年1月26日

暴行犯にインタビュー

風邪と熱で頭が働かない中、暴行事件の審理を取材。タイレノールで熱は下がったけど、裁判所にいる間、ずっとボーッとしてた。

事件は、二週間前に二人の男が、被害者をバットでめった打ちにしたというもの。検察側が証拠を提示する日だったんだけど、その前に司法取引が成立してあっけなく幕引き。この程度の事件だと、検察や弁護人だけじゃなく、判事も取引で片づけたいというのが本音。

被害者のガールフレンドに話しかけると、どうやら三角関係が原因らしい。その女性は被告人の別居中の妻で、被告人は妻が浮気したのにキレて、被害者宅に押しかけた。

口論が殴り合いに発展。負けそうになった被告人を助けに、もう一人の男がバットを持って乱入。形成逆転した夫は、被害者にチョークホールドをかけ、もう一人がバットで殴り続けた。嫉妬は恐ろしい。

夫とその友人にはそれぞれ180日と270日の禁固刑が言い渡される。しかもストライクのおまけ付き。カリフォルニアでは、凶悪な犯行でストライクをもらうと、次に重罪を犯した時に刑が2倍になってしまう。ツーストライクで重罪を犯すと自動的に最低25年以上の不定期刑に処される。これをThree Strikes Law(スリーストライク法)という。

一方的な報道はしたくないんで、被告人である夫にも話を聞くことに。相手は一時の怒りで人を殺しかけた男。嫌な仕事である。

法廷の外で自己紹介すると、逮捕時の記事を読んだと言う。話しながら落ち着かないトラのように、ボクの前を行き来し、しかも微妙に口もとが震えているではないか。

やばい、しかも背が高い。思い込みのせいか、キレたら暴走するタイプにしか見えない。優しい顔とのギャップが恐怖を増幅させる。ピッコロ大魔王にインタビューする、天下一武道会のアナウンサー気分だ。

相手は被害者にやられかけた程度のやつだと自分に言い聞かせ、平静を装って質問を続けた。事件については話したくないみたいで、妻のことを今でも想っている様子。可哀想にすら思えてきた。妻の悪口を言い始めた付き添いの家族をとがめるなど、実はいいヤツだった。

早く立ち直って欲しい。

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お金が天から降ってきた

昨日、2010年度の確定申告を済ませた。

日本では給与所得者の場合、本人の代わりに会社が税金の清算を行ってくれるんで、確定申告を行うのは事業主くらい。でもアメリカだと、お金を稼いでいる人は、個人で確定申告を行う義務がある。毎年、4月15日が締め切りなんだけど、これが面倒くさいのなんの。

大学の財務論の授業についていけずに爆睡していた自分にとって、税金の書類なんてロシア語並みに意味不明。田園調布の小学生のお小遣い程度しか稼いでいなかった大学院時代ですら、「サルでもできる確定申告」サイトを5分で見限り、クラスメイトに代わりに入力してもらった。

今の会社で働き始めてからは、同僚に紹介してもらったフィリピン人会計士のおばちゃんに一存。おばちゃんの英語のなまりが強すぎて、80パーセントくらい何言ってるのか分からないけど、ちゃんと払いすぎた税金が戻ってくるので、気にしないようにしている。

おばちゃんに会っている時間はおそらく一年で5分足らず。それで70ドルは高いと思われるかもしれないけど、おかげで税金のことを考えるのは一年で5分で済んでいる。しかも今回は1000ドル以上、戻ってくるらしい。二週間くらい経って、確定申告など忘れかけた頃にお金が振り込まれるので、まさに天から幸せが降ってきた気分になれる。

プロいわく、アメリカ人は日々、いかに税金を節約するかを考えて生活しているらしい。
ただ、逆にいうと日本の場合は、節税の可能性が少ないともいえます。一方、米国においては、個人で申告を行なうことが義務付けられているため、非常に多くの節税の可能性があり、また税金対策を考慮に入れて、自らのファイナンシャルプランを考えることが、ごく当たり前のこととなっています。いかに税金を節約するか、米国民は日常から考えて行動しているといえます。
これは本当で、ボクの周りにも自分のことは自分でやるという意識が徹底している人が結構いる。

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