カリフォルニア州コンプトンで行われた日米親善高校野球大会で、日本選抜チームは、南カリフォルニアの有望高校生たちを集めたアーバン・ユース・アカデミーと対戦。通算成績1勝1敗1分けで大会を終えた。
甲子園ベスト8以上に残った選手を中心に構成された日本代表は、現地の日系人宅にホームステイをして米国の文化を学び、大リーグの試合観戦も行った。エンジェルススタジアムで練習を行い、ドジャーズスタジアムでは黒田選手と対面した。
米国の高校生たちと対戦し、間近でメジャーリーグに触れた日本の高校生たちは、少なからず刺激を受けたようだ。「プロ野球と違ってメジャーの人は体もすごい。ガタイがすごいです。野球をやって目指すなら、ここまで来たいなと思いました」と話すのは、甲子園で154キロを記録したプロ注目の明豊の今宮健太選手。親善試合第2戦に登板し、90から93マイル(145キロ〜150キロ)の直球で、現地スカウトをもうならせた。
日本選抜は第1戦をものにしたものの、第2戦では適時打を浴びて引き分け。第3戦は競り負けた。体格では一回りも二回りも小さい日本は、セーフティバントや進塁打を混ぜた小刻みな攻撃と、ピッチャーの多彩な変化球、正確なコントロールで、アグレッシブな野球をする米国チームと対等に渡り合った。
「日本の選手は勝つための野球を仕込まれている」と試合に来ていた北海道日本ハムファイターズの大淵隆スカウトは述べる。高校生時代から一点をもぎ取る野球を教え込まれている日本は、粗削りの米国高校生に比べ、試合運びという点では秀でている。しかし、「打って、投げて、走るという素材では(アメリカが)上」と大淵スカウトは分析。
中京大中京を甲子園優勝に導き、日本選抜監督を務めた大藤敏行氏も、パワフルで力強い米国の野球を見て、勉強になったという。「日本は野球しかやってない。こっちはそうじゃないでしょ」と、高校まで複数のスポーツをするのが当たり前の米国との違いを認めた上で、「そういう子たちに負けないように頑張ります」とコメントした。
第2戦に先発した中京大中京の堂林翔太投手は、7回を無失点に抑える好投を見せ、「低めの投球を心がけた。甲子園でもやってきたことが通用した。パワーはあるけど、いいところをつけば抑えられる」と自信をのぞかせた。今宮選手も、年下なのに自分たちより大きい選手を見てびっくりした一方、スピーディーな動きでは自分たちの方がうまいと感じたと話す。
アーバン・ユース・アカデミーの第1戦先発投手を務めたアーロン・サンチェズ選手は、大リーグのスカウトも注目する逸材。彼は、日本チームの印象について、「基本にとても忠実。ボールをバットにあてるのが上手で、ミスをしない。狙い球に的を絞ってくる」と語った。
過去に、桑田真澄や松井秀喜、福留孝介といった名選手を輩出した日米親善高校野球大会。若い頃、実際に米国のベースボールに触れたことが、彼らのメジャー行きの夢を育んだ。高校時代の米国遠征が、桑田投手にとって「心に残る旅」になり、英語を勉強し始めるきっかけになったのだと、日本選抜の渉外担当を務めた田名部和裕氏は言う。
高校卒業後に直接米国行きを希望する菊池雄星投手のように、日米親善野球大会に参加した選手達の中にも、大リーグのみならず、広い世界に羽ばたいて活躍したいという目標を持つようになった選手は多いに違いない。
なんだかよく分からないけど泣けてきた(笑)。
返信削除体のサイズやガタイはDNAや食べ物もあるから、日本人がアメリカ人のようになるのは難しいだろうけど、日本には日本のよさもあるから、パワーを目の当たりにして「あぁならないと!」と一概には思って欲しくないかも。ICHIROはホームランバッターじゃないし、ゴッツイわけじゃないけど、大活躍してるし。
なんか彼らの将来が楽しみですね♪
菊池君...いきなりメジャーでやっていけるのかな...?
日本の高校生はまず、甲子園出場・優勝が夢でしょう。その先も追い続ける夢があるって素晴らしい。幸せなことですね。
返信削除日米では若い選手の育て方、その方針に違いがあるんでしょうか。
>Ichiko
返信削除野球はパワーが全てじゃないし、各選手がいいところを伸ばしていくようなシステムにしていけば、これからもメジャーに通用する選手はでてくるんじゃないかな。
>エルル
日米の選手育成の差は縮まってきてはいますが、未だシステムでは大きな違いがあります。いずれブログでも、それについて書きたいと思います。