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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2009年9月12日

ジョーダンが神になれない理由

日本ではあまり話題にならなかったようだが、元NBAのスーパースター、マイケル・ジョーダンバスケットボール殿堂入り表彰式が行われた。

ジョーダンとともに90年代のNBA全盛期を築いた、デービッド・ロビンソンとジョン・ストックトンに加え、1988年から現在までユタ・ジャズの監督を務めているジェリー・スローンと、ラトガース大学女子部のC・ビビアン・ストリンガー監督も殿堂入りし、まれにみる豪華な顔ぶれの表彰式ととなった。

しかし、やはり注目の的はジョーダン。史上最高のアスリートの一人として誉れが高いが、引退してからはどこかパッとしなかった。NBAチームの経営者となったが、その腕はイマイチ。そんなジョーダンが久々に晴れ舞台に立つということもあって、彼がどのように自分の競技人生を振り返るのか、多くのファンが興味津々だったに違いない。

ところが、そのスピーチの内容が物議を醸すこととなる。壇上で感極まって涙を流したジョーダンが口にしたのは、過去の対戦相手や指導者などに対する辛辣な言葉。いかに自分が負けず嫌いで、自分を見くびった人々を見返そうとしたのかを延々と語った







ストリンガーやスローンが胸を打つスピーチをした後だけに、その軽率なジョークが更に薄っぺらく聞こえてしまう。ジョーダンらしいと言ってしまえばそれまでだが、バスケットボールの神様とも呼ばれる人物にしてはあまりにチープな内容に、がっかりしたファンも多いはず。

彼が人並みはずれた競争心の持ち主で、史上最高の選手であることは、周知の事実である。だからこそ、名誉ある表彰式で、ジョーダンという人物がそれ以上の存在であることを証明して欲しかった。

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