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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2009年11月21日

米国食紀行 第一回

世界一の肥満大国アメリカ。その理由はいくつか考えられるが、最大の理由は間違いなくその食生活にある。

フランス人ならワイン、日本人ならお茶のところを、アメリカ人はコーラをがぶ飲みする。オフィスでポテトチップスをかじりながらパソコンに向かうサラリーマン。パンケーキを10段重ねくらいにして、その上から大量のシロップを垂れ流す光景は映画だけではない。一日一回ファーストフードというのも珍しくない。

日本人がアメリカで食事をすると、その量と濃い味付けに度肝を抜かれる。中華料理店で、チャーハンにこれでもかというくらいに醤油をかけるアメリカ人をどれだけ目にしてきたことか。かの海原雄山は、美味しんぼ9巻でハンバーガーショップを開こうとする弟子に対して、「そのおまえが、味覚音痴のアメリカ人の食べる、あの忌まわしいハンバーガーを!」とまで言い放った。

しかしアメリカといっても実に多様である。多民族が入り混じって暮らす米社会では、挑戦心さえあれば日々新しい発見があるほど、豊富な食材やレストランであふれている。ボクの住むような田舎でも、メキシカンや中華はもちろんのこと、韓国からインド、中東系までレストランがそろっている。非常に多様な食文化に囲まれているにも関わらず、ハンバーガーやピザしか食べられないアメリカ人がいるのは残念極まりない。

ボクはむしろその逆で、日々新しい食に出会わなければ満足しない。頼んだことのない品を注文するのがモットーである。メニューを見ていて、何だか分からないものがあれば、大抵それを選ぶ。ハンバーガーにせよ寿司にせよ、それぞれの料理には、それが育まれた環境や背景というものがあり、そうした歴史をかみ締めながら味わうのは楽しい。

これから不定期に、日々ボクがアメリカで出会った料理やレストランを紹介していこうと思う。名づけて、「米国食紀行」。金のない身分上、洒落たレストランはあまり登場しないが、ガイドブックとはまた一味違ったアメリカを知っていただけるかもしれない。



さっそくだが、数日前にメキシコ系スーパーマーケットで食べた料理である。



トスターダ。メキシコ料理には必ずついてくるトルティーヤと呼ばれる薄焼きパンをトーストした上に、エビのマリネとアボカドをのせたものである。セビチェと呼ばれる中南米の魚介類のマリネはさっぱりとしていて食が進むので、ボクはよくスーパーで買って白米と一緒に食べている。



一緒に頼んだ鶏肉のスープ。右についているのがトルティーヤである。

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