自己紹介

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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2009年11月12日

忘れられないラブストーリー

合衆国最高裁判所元判事サンドラ・デイ・オコナーの夫で、17年以上に渡ってアルツハイマー病と闘ってきたジョン・オコナー3世が亡くなった。

サンドラが女性として初の合衆国最高裁判所判事に指名された1981年、彼女についてワシントンに行くため、ジョンは勤めていた由緒ある法律事務所を辞めた。

記者に「彼女のサポート役に徹することについてどうお考えですか」と聞かれたジョンは、「サンドラの功績は私の存在を下げたりなんかしないよ。むしろ私を一人の人間として満たしてくれるんだ」と答えたという

そんなジョンとサンドラは、二人がスタンフォード大学のロースクールで論評の校正をしている時に出会った。一年後には、サンドラが子供の頃に暮らしていた牧場で結婚式を挙げ、やがて三人の子供をもうけた。ワシントンの社交界では、ダンス好きのカップルとして知られるようになる。

ところがジョンがアルツハイマーにかかり、病状が悪化したため、サンドラは2006年に判事を辞職し介護に専念する。徐々に記憶を失っていったジョンは、50年以上連れ添ってきたサンドラのこともついには忘れてしまい、別のアルツハイマー患者と恋に落ちてしまう。

家族はそのあまりに冷酷な現実にショックを受けるが、サンドラは夫の幸せのためならと、ジョンの恋愛を容認した。

夫の喜びが自分にとっての幸せ。これ以上の愛情があるだろうか。

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