大相撲の八百長疑惑で、2日の日本相撲協会の理事会の事情聴取に対し、十両の千代白鵬関、竹縄親方(元幕内春日錦)、三段目の恵那司力士の3人が関与を認めたことが3日、関係者の話で明らかになった。(スポーツ報知)相撲の八百長はずっと前から疑われてきたことだけど、マスコミとの癒着もあって、うやむやにされてきた。
相撲協会は、メールのやり取りをしていた力士たちに責任をなすりつけようとしているけど、見苦しいったらありゃしない。八百長は力士のモラルの問題というよりは、相撲界の欠陥だらけの体制に原因がある。
アメリカでベストセラーになった、Freakonomics(邦訳「ヤバい経済学」)という本で、経済学者のスティーブン・レビットは、以下のように述べている。
本書は番付表に残れるかどうかが力士の将来にとってきわめて重要であることに注目する。そこには八百長をしても勝ちたい動機が確実にある。でも、それをどうやって調べようか? 著者はそこで、相撲の番付表から落ちかかっている力士と、そうでない力士との勝負を統計的に調べた。すると、同じ力士を相手にしていても、番付表に残れるかどうかを決める取組でだけ、異様に白星の率が高まる!
それだけなら、番付に残ろうとした力士が必死になって火事場のクソ力を発揮したのかもしれない。でもおもしろいことに、かれらが番付に残った後で同じ力士と対戦すると、今度は異様に負けが多くなる。さらにマスコミで八百長疑惑が取りざたされると、突然勝負はいつもの平均値に戻る。明らかに通常とはちがう工作が行われているわけだ。(山形浩生氏の書評より抜粋)
要するに、番付けシステムそのものが、力士間の勝敗取引を促進しているのだ。八百長した方がしないよりも得する仕組みに全く手をつけず、証拠を突き出されたら、今度は力士個人に責任を押し付ける。
「これまでの問題とは質が違う。一部の人間の行為で何百人が迷惑を被っているのか。それを考えると、協会から追放するしかない」とある理事は憤った。(スポーツ報知)NFLや日本サッカー協会のようなスポーツ組織の存在意義は、ズルや八百長をしたら損をするような仕組みを整えることにある。メジャーリーグがドーピングを黙認してきたように、日本相撲協会は、大事な役割をなおざりにしてきた。
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