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数年前の本だけど、ボクは数ヶ月前に読んで以来、ファンになった。ニューヨークタイムズ紙のウェブサイトでは著者たちのブログも読める。
テーマは経済ではなく、社会科学の基礎である統計学を使って、物事の真相を解明すること。
- アメリカで犯罪が激減した最大の理由は、警察の取り締まりが強化されたからでも、景気が良くなったからでもない。中絶が認められたからだ。
- 給料やリスクを考えると、麻薬のディーラーは全く割に合わない仕事である。
- 子供の成功は親が何をするかではなく、親が誰であるかによって決まる(これは遺伝という意味だけではない)。
- 相撲や学校の統一テストは八百長を助長する仕組みになっている。
これまで当たり前だと思われてきた常識に対して質問を投げかけ、データと論理でそれを覆す。その姿勢は、「マネー・ボール」で紹介されている、野球を統計学で分析するセイバーメトリックスと共通している。まさにクリティカルシンキングだ。
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人の行動は道徳だけで決まるわけじゃない。モラルもインセンティブ(動機)の一つにすぎず、たとえ間違っていると思うことでも、利益が大きかったり、クビがかかったりしていれば、やってしまうというのが人間というもの。相撲で八百長がはびこるのも、力士にとってそうした方が得するシステムになっているからにすぎない。
経済学というのは、人びとを動かすインセンティブを理解して法則を導き出し、未来を予想したり、国にとっての利益が最大になるような政策を考えたりする学問だ。
相撲もスポーツとしての道を選ぶなら、力士のインセンティブを理解して、八百長したら損をするような制度をつくらなきゃだめだ。
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