アメリカを騒がせた6日間のお祭りがようやく終わりました。
初めて米国を訪問したローマ法王フランシスコがバチカンに帰国。自らがアメリカとの国交回復の仲介役を務めたキューバを訪れた後、ワシントンDC、ニューヨーク、フィラデルフィアで熱烈な歓迎を受けました。
テレビは生中継で法王の一挙手一投足を報じ、多くの新聞は関連ニュースを連日トップで扱っていました。セキュリティー体制はどうだとか、何を食べただとか、日本の皇室報道を彷彿とさせます。
安倍首相がおこなって日本で話題となった米上下両院合同会議でのスピーチ。今回は、その時とは比べものにならない地元メディアの取り上げぶりでした。
うちの新聞も、地元カトリック教徒の興奮ぶりや、法王に会いに東海岸に行くという人々を一ヶ月間程前から記事にし続けました。サン・ホワン・カピストラーノに伝道所を作った修道士フニペロ・セラが、フランシスコ法王によって聖人の地位にあげられたことも、オレンジカウンティでは話題になりました。
あまり海外の有名人に関心を示さないアメリカ人ですが、イギリス王室と法王は別格。セレブ大国アメリカで、最大級の歓迎を受けます。
米国では、プロテスタント教徒がほぼ人口の半分を占めますが、カトリック教徒も20パーセント以上。流入の続く中南米移民にもカトリック教徒が多いです。
ボストングローブ紙の調査報道がきっかけで明るみに出た性的虐待事件によって、米国のみならず世界中で評判を落としたカトリック教会。そんな負のイメージをくつがえそうとするフランシスは、まさにバチカンにとって救世主なのです。