自己紹介

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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2010年2月11日

現実のHERO

初めて一人で裁判所に行った。目的は検察官へのあいさつ回り。判事や陪審員は進行中の裁判について話すことはできないので、検察官や弁護士は貴重な情報源である。

検察官という人種と話すのは、これまた初めてのことで(運よくまだ逮捕の経験はない)、キムタク主演の『HERO』くらいしかイメージにない。忙しいカタブツの集まりだと勝手に思い込んでいたため、会うまではちょっと緊張していた。

しかし裁判所の一角にある地方検事のオフィスに入ると、そこは『HERO』に出てくる東京地検とは似ても似つかない明るい部屋。受付の女性たちも公務員のはずなのに愛想がいいではないか。

昨日、裁判所の廊下で偶然会って、案内を引き受けてくれた検事補佐長のゲーリーが、笑顔で出迎えてくれた。ビクタービルの裁判所では結構な数の検察官や事務官が働いていて、全員のオフィスを回ったが、とても一度では名前と顔を覚えきれない。みんながみんな親切なので、こりゃ試されてるのかなとすら思ってしまった。地域に新聞社が一つしかなく、裁判所に常駐する記者はボク一人だというのも、理由の一つかもしれない。

編集長のドン曰く、彼らは家族のように仲間意識が強いという。確かに、こんな職場で働きたいと思うくらい和やかな雰囲気である。中にはボクと同い年くらいの美人検察官もいて、正直うらやましい。毎日、辛抱強く通い続けて、いつか彼・彼女らの信頼を勝ち取りたい。

あいさつ回りやゲーリーとの会話を通して、裁判所担当の記者に必要なのは、法律の知識よりも、裁判システムを理解することだと感じた。ほんと、勉強することだらけである。

週末は『HERO』と『Law & Order』でも見て過ごすかな。

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