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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2015年10月27日

「20代は大いにブレなさい」というアメリカ

Netflixで「理想の彼氏」という映画を見ていて、ふと思いました。

バツイチのアラフォー女性が20代半ばのフリーターと恋に落ちるというラブコメで、映画としてはイマイチだったのですが、終わりに描かれていたシーンがいかにもアメリカらしい。ヒロインと別れた主人公の男性は、5年ほど世界を放浪して成長した姿で彼女と再会。まさに今時のアメリカの若者のイメージです。




大学を卒業した日本人とアメリカ人の20代を比べると、大きな違いがあります。

日本だと、新卒で企業に就職して、がむしゃらに働き、社会人として一人前になるための時期だというのが一般的な認識。「安定」した職につかなかったり、旅などしたりしていたら、フラフラしている奴だと白い目で見られるかもしれません。若い時でもブレるのは良しとされないのです。

それに対して、新卒という制度のないアメリカでは、20代というのは自分探しの時期。仕事や住む場所を1、2年で転々とし、色々なことにチャレンジする若者が多くいます。ミュージシャンや俳優になる夢を追いかけたり、海外に英語を教えに行ったりする人も。

自分に合わない、好きじゃないと思ったらスパッとやめて次のことに挑戦します。石の上にも3年などという考えはありません。ぼくの周りでも、最初に就職した会社に2年以上いるという友だちは、ほとんどいません。

高校の先生を辞めて新聞記者になった同僚。逆に記者を辞めて、検察官になるためロースクールに入った元同僚など様々。かくいうぼくも、大学院でスポーツ経営からジャーナリズムに転向しました。

家族やキャリアなど、失うものがないからこそ、大いにブレることができる。それによってやりたいことを見つけ、30代につなげていく。だから親もあまり口出ししないで、暖かく見守るのです。

日本でも転職する人、企業に縛られない働き方を求める人が増えています。10年後くらいには「理想の彼氏」の世界観が当たり前になっているのではないでしょうか。

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