Photo: Courtesy of Apple
期待はしていたので、速報を見て驚きはしなかった。しかし、紹介ビデオとスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションを見ているうちに、やはり物欲を刺激された。一番安いモデルで499ドルというiPadは、米国では3月の終わりに発売となる(海外ではどうやら遅れそうだという情報もある)。
デザインやインターフェースの美しさはさすがはアップルといったところだが、単にiPodTouchを大きくしただけじゃないかという指摘もある。確かにiPadのOSは、iPhoneのOSをベースに作られている。
しかしiPadの存在価値はまさにそのディスプレイの大きさにある。このデバイスはタッチスクリーンでの操作を最大限に引き出す目的で作られたのだ。iPhoneでも指先を使った操作はできるが、電話という機能上、どうしてもサイズに制限が加わる。指先を使った操作は快適だが、iPhoneの小さいスクリーンでは、インターネットを閲覧したり、電子書籍を読んだりするのは疲れる。
iPadでは大きさという制限が取り払われ、タッチ操作をフルに生かすことができる。過去20年間で、コンピューターはマウスとキーボードを使って操作するという固定観念が定着してしまったが、iPadはそれを打ち破るものになりそうだ。
これまでにもタッチスクリーンを使ったタブレット型パソコンは存在したが、タッチ操作を生かすソフトが存在しなかった。アップルはハードとソフトを両方開発できる強みを生かして、iPadと一緒にいくつかの専用アプリケーションを開発した。そして何よりiPhoneを通じて成長したApp Storeという基盤は大きい。サードパーティーによるアプリケーション開発はiPadの可能性を無限に広げてくれる。
ニューヨークタイムズ紙がプレゼンテーションに登場し、独自のアプリケーションを紹介した。まるで新聞を読む感覚で、インターネットのニュースがチェックできるようになっている。タブレット型コンピュータの普及が進めば、これまで以上にテレビ、新聞、ラジオというメディアの垣根がなくなり、メディアのあり方も変わってくるに違いない。
果たしてiPodとiTunes Storeが組み合わさって音楽業界が変わったように、iPadと同時に発表されたiBooksというビジネスモデルが出版業界を変えるのであろうか。これからの動向に注目したい。
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