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米カリフォルニア州オレンジ郡を拠点に、英語と日本語の両方で記事を書く数少ないジャーナリスト。 アメリカの現地新聞社で、政治や経済、司法、スポーツなどあらゆる分野の記事を取材・執筆。 2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニア住民に与えた影響を調査した記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。2017年には、ディズニーや開発業者が行った政治献金を明るみに出した記事で、オレンジ郡記者団協会の調査報道賞を受賞。 大谷翔平の大リーグ移籍後は、米メディアで唯一の日本人番記者を務める。

2010年1月29日

iPadついに発表!

予想通りアップルからタブレット型コンピューターが発表された。名称はiPad(何やら富士通との間に商標問題が起こりそうだが)。プレゼンテーションが終わった1時間後のグーグルトレンドでは、人気トピックの1位から6位までをApple関連のキーワードが独占していた。

Photo: Courtesy of Apple

期待はしていたので、速報を見て驚きはしなかった。しかし、紹介ビデオとスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションを見ているうちに、やはり物欲を刺激された。一番安いモデルで499ドルというiPadは、米国では3月の終わりに発売となる(海外ではどうやら遅れそうだという情報もある)。

デザインやインターフェースの美しさはさすがはアップルといったところだが、単にiPodTouchを大きくしただけじゃないかという指摘もある。確かにiPadのOSは、iPhoneのOSをベースに作られている。

しかしiPadの存在価値はまさにそのディスプレイの大きさにある。このデバイスはタッチスクリーンでの操作を最大限に引き出す目的で作られたのだ。iPhoneでも指先を使った操作はできるが、電話という機能上、どうしてもサイズに制限が加わる。指先を使った操作は快適だが、iPhoneの小さいスクリーンでは、インターネットを閲覧したり、電子書籍を読んだりするのは疲れる。

iPadでは大きさという制限が取り払われ、タッチ操作をフルに生かすことができる。過去20年間で、コンピューターはマウスとキーボードを使って操作するという固定観念が定着してしまったが、iPadはそれを打ち破るものになりそうだ。

これまでにもタッチスクリーンを使ったタブレット型パソコンは存在したが、タッチ操作を生かすソフトが存在しなかった。アップルはハードとソフトを両方開発できる強みを生かして、iPadと一緒にいくつかの専用アプリケーションを開発した。そして何よりiPhoneを通じて成長したApp Storeという基盤は大きい。サードパーティーによるアプリケーション開発はiPadの可能性を無限に広げてくれる。

ニューヨークタイムズ紙がプレゼンテーションに登場し、独自のアプリケーションを紹介した。まるで新聞を読む感覚で、インターネットのニュースがチェックできるようになっている。タブレット型コンピュータの普及が進めば、これまで以上にテレビ、新聞、ラジオというメディアの垣根がなくなり、メディアのあり方も変わってくるに違いない。

果たしてiPodとiTunes Storeが組み合わさって音楽業界が変わったように、iPadと同時に発表されたiBooksというビジネスモデルが出版業界を変えるのであろうか。これからの動向に注目したい。

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