それではタブレット型コンピューターの普及で、具体的にボクたちの生活がどのように変わるのか、ちょっと予想してみよう。
その1:ビジネス
ノートパソコンやスマートフォンの普及で、ビジネスの世界では急激にペーパーレス化が進んでいる。資料をEメールで送り、グーグルカレンダーでスケジュールを管理するのは当たり前のこと。
しかし、鞄の中から、紙の書類が一切なくなったかと聞かれれば答えはノーであろう。紙には紙の良さがあるからだ。立った状態での商談や説明にはノートパソコンは使えないし、もらった書類にちょっとしたメモを加えるには手書が楽だ。スケジュールもグーグルカレンダーに入力はしても、パッと取り出してみるにはやっぱり手帳が便利。スマートフォンも悪くないが、本格的な文書には画面が小さすぎる。
タブレットなら、一台でそうした不満を解決し、鞄の中をすっきりさせてくれる。
商談の際には、座った状態だろうが立った状態だろうが、鞄の中からサッとiPadを取り出してすぐに資料を見始められる。相手もiPadを持っていれば、必要な書類をその場ですぐにメールで送信したり、専用のアプリケーションで無線経由でデータのやりとりが可能。相手の話を聞きながら、書類上に手書きでメモをとることもできる。iPadをプロジェクターにつなげるようになれば、パワーポイントを使ってプレゼンをしながら、OHPのように手書きのメモを加えられる。
iPadのスケジュール帳は、iPhoneよりも画面が大きくなったことで、予定を見渡しやすくなり、更にはiPhoneと変わらない起動の速さを実現している。手書き入力のできる日記アプリも充実してくるだろう。
通勤途中や空いた時間にネットをチェックするのはもちろんのこと、新聞、雑誌や本をiBooksで購入して読んだり、映画を見たりすることもできる(あくまで日本の出版業界が電子化に積極的であることが前提だが)。iPadが普及して困るのは、大きい鞄の売れなくなる人たちかもしれない。
その2:教育現場
ビジネスと同じ理由で、小学生たちはランドセルがいらなくなる。アメリカの大学生などは、一冊で一キロはあるであろう分厚い教科書を、何冊もリュックに背負って広いキャンパスを移動していたのが、iPad一台(というより一枚)ですんでしまう。アメリカの教科書会社は既にiBooksへの商品提供へ動き出している。
教師たちは従来の文字情報に加えて、動画や音声を埋め込んだ教科書や資料を配信したり、タッチ操作を利用したインタラクティブな学習用アプリケーションを開発するようになるだろう。アメリカの大学では既にほとんどの授業資料をインターネットでダウンロードできるようになっているが、iPadはパソコンやスマートフォンに比べて閲覧性が優れているので、紙に印刷する生徒は激減するに違いない。授業中のメモはiPadに手書きでとれる。
その3:書籍
電子化によって印刷代をコストカットできるため、本が安く買えるようになるのはKindleで証明済み。著作権の切れた古典はほぼ無料でダウンロードできる。
駆け出し作家の立場から見れば、出版社を通さないでiBooksで自由に本を販売できるようになれば、安く(もしくは無料で)本を配布して多くの人に作品を読んでもらえる。誰でも本を出版できる時代になるということだ。作家は出版コストの削減で、これまで以上の比率で印税が得られるかもしれない。
その4:新聞・雑誌
以前も書いたが、iPadは出版業界だけでなく、ジャーナリズムの危機をも救ってくれるのではないかと期待している。
iPadなら、各メディア会社が自社製アプリケーションを開発して、インターネットと紙メディアの両方の良さを組み合わせたニュース提供が可能である。課金や広告のオプションも広がる。
iPadの普及で、マルチメディアを駆使した情報がいつどこでも入ってくる生活が実現すれば、新聞、雑誌、本、テレビ、ラジオといった分類自体が時代遅れと言われるようになるのかもしれない。
i-Padどうなんでしょう
返信削除ショップに見に行きたいぞー
また眼精疲労が酷くなりそうな…
なんだかんだで紙が好きな自分
まだ店頭にはないけど、出たら見に行こう。
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